香港映画の魅力
June 6, 2003
BS-2で放送中の「ジャッキー・チェン特集」を見ていたら、俺の香港魂に火がついた。
映画といえば香港映画、他は何もいらない。
レンタル屋にある香港映画の棚を丸ごと買い取ってしまいたいくらい、連日連夜、香港映画ばかりを観まくっていた時期があった。
香港映画はストーリーに期待しては、いけない。
ぼこ、ぼこ、ぼこ、全編穴ぼこだらけ。ツッコミ箇所は無限大。
王家衛(ウォン・カーウァイ)の作品だって(スタイリッシュな映像と音楽で誤魔化されているけど)ストーリーは破綻している。
理詰めの脚本を用意しないのは、香港映画の伝統のようなものなのか?
香港映画の何処を見るのか?
まず、アクション。
『ポリス・ストーリー 香港国際警察』のクライマックス、デパートの乱闘場面は何度見ても涙が溢れてくる。
生身の役者たちが、命懸けのスタントをこなしている。
殴られ蹴られ叩きつけられ、階段から蹴落とされるブリジット・リンやマギー・チャン。
これが出来ないと香港では映画出演の機会がグンと減ってしまう
新人がデビューするために、生身のアクション演技は必須なのである。
その一点だけでも、日本の役者たちは、怠けていると言わざるを得ない。
見所その2。美男美女。
多言無用、見りゃ分かる。
(追悼:レスリー・チャンさんの訃報を心よりお悔やみ申し上げます。)
そして、単純明快な人間関係。
家族、恋愛、友情……香港映画の人間関係は濃密だ。
人間関係はドラマの基本、日本映画でもアメリカ映画でもちゃんと描かれている。
だけど、ちゃんと描かなくても、濃厚に伝わってくるのが香港映画の特徴です。
賢明な映画ファンの方々なら、当然ご覧になっていると思うが、
『ワンダーガールズ 東方三侠』は、香港以外では絶対に作られることはなかったであろう娯楽の極楽、大傑作だ。
明らかにティム・バートン(『バットマン』)の影響を受けている(=パクっている)近未来社会を舞台に、アニタ・ムイ、ミシェル・キング、マギー・チャンの三人美女が身体を張って大暴れ。
マントをひるがえし去ってゆくスタイリッシュな(チョー格好良い)ラストシーンまで、グイグイ見せてくれること、見せてくれること。
どんな内容なのか、ここに書いたら未見の人は観たくなくなるかも。
馬鹿馬鹿しいストーリーだけど、スッゲー面白い、とだけ言っておく。
『チャーリーズ・エンジェル』を鼻で笑う、特撮ヒーロー・アクション映画の金字塔ですぜ。
この映画、イリヤ・サルキンドの『スーパーマン』『三銃士/四銃士』と同じ製作方式(というより、日本のVシネと同じ節約方式=1本の美術製作費で2本撮り、スタッフや出演者のスケジュールも押さえやすい)で、同時に続編も製作されている。
一部のオネーチャンたちには金城武のデビュー作として有名なのだが、金城目当てでない真っ当な映画ファンは、こちらも必見!
持病の椎間板ヘルニアが悪化。
季節の変わり目に多いので、今年もまた梅雨の季節なのか、といった感じだが……腰痛で外出どころか、ちゃんとした姿勢で椅子に腰掛けることすら困難な状況。
しばらくは、寝ころんでビデオ観たり本を読んだりして、やり過ごすしかない。