ターミネーター3
July 7, 2003
極めて真っ当なB級アクション映画になっていたので、ひと安心。
最近のアクション映画の登場人物って、スーパーサイヤ人みたいなのばっかりだったので、これはかえって新鮮。
殴られ、蹴られ、吹き飛ばされる……アクションにちゃんと痛みが演出されているのがマル。
つーか、本来こっちがB級アクションの王道でっせ。
殴られりゃ痛いの。
ぴゅ〜って跳んでクルリと着地してパンと飛び上がって蹴りでビュンビュン反撃する……なんてのばっか見てると莫迦になっちゃうよ、って警告?
(って言うか他の強豪ライバル・バカ映画との差別化が図られてるの?)
「ターミネーター」がスーパーサイヤ人なんだから、他はすべて普通に描いてないとロボットの優位性が表現できないんですね。<正解。
12年前に革新的なデジタル合成を導入し、以後「これからのアクションはデジタルだね!」とヘンテコな流れを作ってしまった罪作りな当シリーズではあるけど……今回はオタク趣味、変態趣味で構築したデジタル・モニュメントになっていなかったのでマル。
ちょっと先祖返り?
だから、60〜70年代アクション映画を愛するオジサン世代も満足。
デジタル・イベント・ショーは一見派手で見栄えがするけど、感情を喚起させないから、どれを観たって同じにしか見えないし、ハリウッドは金持っちゃな〜って、反感買うだけなんだよな。
(デジタル紙芝居に感情移入できるのは、感受性豊かなガキンチョだけですぜ)
主役は完全にジョン・コナーに移行しちゃってるけど、タイトルロールの「ターミネーター=シュワルツェネッガー」が主役だったことって一度もないのね。1作目(悪役)、2作目(脇役)、3作目(狂言廻し=明らかにコメディ・リリーフとしての扱い)。
このシリーズ、革命兵士ジョン・コナーが悲壮な運命をサバイバルしてゆくドラマなので、こっちの感情はきちんと描かれている。そのへんがバランス良くキチンと成立しているのでマル。
うちゃこさんの予言通り、シリーズはこのあと、人類抵抗軍とスカイネットの攻防戦をメインにした『ターミネーター 征服』、スカイネットの勝利と地下に潜った人類を描く『最後のターミネーター』へと続くのは必至。
でも、カリフォルニア知事のシュワルツェネッガーは、多忙のため顔見せ程度のゲスト出演。<もともと主役じゃなかったしね。いいんじゃない。うちゃこさんだって、彼の「I'll be back」は聞き飽きたって言ってるし、その点は俺も同感。
(今、ちょっと思い出したんだけど、『猿の惑星』リメイク版って最初シュワルツェネッガー出演で企画スタートしてたんだよね)