soe006 「夕陽に立つ保安官」&「地平線から来た男」

「夕陽に立つ保安官」&「地平線から来た男」

September 24, 2003

『夕陽に立つ保安官』は、中学の頃にテレビの洋画劇場で一度観ていて、あまりの馬鹿馬鹿しさ、主人公の魅力のなさ、格好悪さに呆れてしまった記憶があって、とうぜん評価も悪くって、もう二度と観るもんかい! ってな印象を持っていたんだけど……

見直したら、これがけっこう面白いんでやんの。
ついでに姉妹編の『地平線から来た男』も一緒に観ちゃった。

金鉱とか鉱山とかの利権を巡って荒れている町にふらりと現れる風来坊のジェイムズ・ガーナー。
強いのか弱いのかよく判らない、飄々としたキャラクター。正義の実行者ぢゃなくて、私利私欲で行動するところがライト感覚。
そのC調ガーナーの、冴えないけど気のいい相棒に、いつもは悪役ばかり演じている人相のわる〜いジャック・イーラム。
町を牛耳るボスに、声がボガートに似ているハリー・モーガン。
この3人、役名変われど役柄変わらず、2作共通のキャラクター。

ハリー・モーガンのおてんば娘役は、『夕陽……』はジョーン・ハケット、『地平線……』はスザンヌ・プレシェット。
どちらもガンガン銃をぶっ放し、エキセントリックなじゃじゃ馬娘を嬉々として演じている。
今回初めてスザンヌ・プレシェットがチャーミングだったことを発見。
1938年生まれだから、えーっと、このとき33歳。へ〜っ若っか〜い。

『夕陽に立つ保安官』ではウォルター・ブレナンが、『地平線から来た男』ではチャック・コナーズが、それぞれの当たり役みたいなキャスティングで大いに笑わせてくれる。

西部劇パロディとしてのギャグの多さで『夕陽に立つ保安官』、
スザンヌ・プレシェットのコケティシュな魅力で『地平線から来た男』、かな?
……まぁ、甲乙つけ難し、って言うか、どっちもどっち。

西部劇の酸いも甘いも舐め尽くしたバート・ケネディだからこそ出来た「お遊び篇」にござんす。

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