soe006 私の好きな映画音楽について語る 其の壱

私の好きな映画音楽について語る 其の壱

October 25, 2003

バーナード・ハーマンのコンテンツを作るために、ハーマンの音楽ばかりを集中的に聴いていたのですが、いや、もう、これが聴き込むほどに実に味わい深く、興味深い。
映画音楽のCDはハーマンだけで充分、他は何もいらない。

……と、断言できるほど人間が出来ているわけでもなく、たまには他の作曲家の音楽も聴いてみたくなってくるわけですね。
だけど、ただ漫然と聴くのもなんなので、これを機会に好きな音楽をリストアップして、ついでにサイトにアップしちゃおう。今年の春に表計算ソフトで手持ちのサントラ・リストを作っていたので、それをダラダラと見ながら、各年代ごとに10本程度選んで一覧表にしちゃいましょう、3時間くらいあればリストアップできるだろ。なんてことを思ったのが……

大いなる誤算。

いや、もう、これが大変な作業になっちゃいまして。
とても各年代ごと10本じゃ収まらない。
いや、そんなにCD枚数が多いわけじゃないんです。
ウチがリンクさせていただいているサントラ専門サイトさんに比べりゃ、蚤のウンコ程度の量しかありません。
集めようって意識して買ってたわけじゃないから、この作曲家なら、このジャンルだったら、俺にお任せ!……みたいなもん、まったくござんせん。
銭に余裕のあるときだけ、ただ漠然と買ってただけでして……
えーっ、あの名盤を持っていないのッ! ってな名作も持ってないもんは、持ってない。

「八十日間世界一周」とか
「ナバロンの要塞」とか、
「タワーリング・インフェルノ」とか、   持ってない。

マニアでもないし、コレクターでもない。それでサイトにリストアップして意味あるの?
……って自問自答は時間の無駄だから、とりあえず聴いている頻度の高いものをズラッと書き並べて、あたしゃこんなのが好きなんだよ、ってお茶を濁そうってことです。

恐悦至極でござる。<……意味不明。

50年代以前のものは、すべて新録音になっちゃいますね。
当時、LPなんてもんはこの世になかったし、後年レコード化されたものは若干ありますが、基本的にサントラ盤自体が存在しない。そこで大活躍するのが、70年代前半にクラシック映画のスコアをバンバン録音してくれたチャールズ・ゲルハルト指揮のナショナル・フィルさん。
残念ながら「失はれた地平線/ディミトリー・ティオムキン集」は持っていないけど、他のは揃っているから手始めに聴きました。>これだけで約10時間ですぜ。>しかもそれが出来がいいのって、なんのって……実に素晴らしい。
なかには近年、オリジナル音源や新録音でリリースされた長尺のものもありますが、そこはそれ、長年聴き慣れたゲルハルト盤への愛着が優先されちゃったりします。あとハーマンのデッカ・レコーディングも、ベトベトに愛着ありますからね。
50年代までは、この2つのシリーズがあれば充分でごわす。
どれもこれもみんな素晴らしくって、選択するより、落とすのが難しい。
この時点で各年代ごとに10曲はあきらめて、20曲づつ選ぶことにしました。

ゲルハルト盤もハーマンのデッカ盤も、演奏はどちらもナショナル・フィルなんですね。
70年代以降もジェリー・ゴールドスミスのサントラ録音に頻繁に起用され、愛好家は足を向けて寝られない、名門オーケストラであります。<メンバーはレコーディングごとに編成されるそうで、その実体はよく知らないんですけどね。感謝の気持ちに嘘偽りはござんせん。

50年代までは、オーソドックスな編成によるオーケストラ演奏が中心になりますね。
シンセを混ぜ込んだ最近のスコアに慣れている人には、真面目な音楽に聞こえるかも知れません。<いや、シンセが入っていると不真面目ってことではないですが。
ニーノ・ロータの「道」はサントラ盤も出ているけど、カルロ・サヴィーナ指揮のカバー録音で誤魔化しております。ハーマンの「地底探検」もオリジナルのフル・アルバムがVareseレーベルからリリースされましたが、デッカ盤のコンサート組曲のほうを挙げました。

CDを1枚まるごと聴いていると、退屈しちゃうんですよ(火爆!)。

みなさん、サントラ盤って、どういう聴き方をされているんでしょう?
もちろん最初から最後までじっくりと聴きたいCDもありますけどね。でも、1枚まるごと聴くのは、ほとんどの場合最初の1回きりで、あとは好みのトラックだけプログラムして、抜粋して聴いてることが多いですね。
だから、聴きどころ聴かせどころを選りすぐって、コンパクトにまとめた演奏が好きですね。もちろんオリジナルの雰囲気は壊さないのが大前提だけど。
でも、オリジナルに優る名演なしって、オリジナルを偏重されていらっしゃる愛好家は多いんですよね。たとえ音質が悪くっても、キューごとに音楽がブツ切れになっていても、オリジナルでなきゃ映画音楽じゃないって主張されている方。

俺なんか、そのあたりすごくいい加減だから。

たいしたオーディオ装置じゃないけど、音楽と一緒に音響も楽しみたいから、音の悪いオリジナルよりも録音状態の良い再演盤のほうに、つい軍配あげちゃったりするんですよね。

邪道ですよね。

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