soe006 インドア志向

この日記のようなものは、すべてフィクションです。
登場する人物、団体、裏の組織等はすべて架空のものです。ご了承ください。

インドア志向

July 13, 2003

半径10キロ圏内の移動は自転車を使っているので、アウトドア派と思われがちだが、全然違う。
貧乏だから自転車に乗っているだけ。
もしアラブの石油王だったら、迷うことなく運転手付きのリムジ〜ンに乗っている。

性格は明るく、社交的なナイスガイなので(自分で言うな!)、スキューバ、テニス、スキー、登山など、けっこう誘われるのだが、全部断ってきた。

アウトドア、嫌いなのだ。

スポーツは、それをやっていて怪我でもしちゃうと周囲に迷惑かけるのでバツ。
スキューバとか登山とかは、UMAに襲われたりしたら恐いのでバツ。
さらにそれを信じてもらえなくて孤立してしまうのが嫌なのでバツ。

部屋のなかで、本読んだり、音楽聴いたり、ビデオ観たりするのが好きなのです。

映画も、近所の映画館はみんなお洒落で清潔なシネコンになっちまって、足が遠退いてきた。昔の(2〜3本立てやってた)街の映画館の「雰囲気」が好きだったのだ。
いまのシネコンは、お客としての俺を拒絶しているとしか思えない。
客層が悪い。カップルかファミリー限定だ。
平日の昼間に暇こいたオッサンが、時間潰しにちょいと立ち寄るって雰囲気じゃない。
居たたまれない気分になる。
だから家でビデオを観る機会が増えた。
ほとんど70年代以前の映画を観る。同じ映画を何度も繰り返し観ている。
テープは1000本くらいあるので、別に新しいものを仕入れなくても困らない。これで充分間に合っているし、満足している。

本は積ん読ばっかり(未読のものが推定2000冊以上ある)ので、今後10年くらいはもう買わなくってもいいくらいの備蓄量だが、外に出ると何故か買っちまう。
なんでもいいから1〜2冊、買わないと外出した意味がない、みたいな強迫観念に駆られて買ってしまう。
CDも同様。
ネット通販はじめてから、完全に感覚が麻痺してきた。
購入履歴がHDDに残っているので、いつ何処で何を買ったという情報を振り返らなくてもいい。購入時の記憶が希薄になる。
欲しい>買う>それだけ。

部屋を整理していて、ときどき買った覚えのない本やCDに出くわして驚くことがある。
そんなときはだいたい他の何かを探しているときだ。

肝心の他の何かは出てこない。

『ローマの休日』など50〜60年代ヘプバーン映画のビデオテープを、15キロ以上離れた親戚の家にて5本まとめて発見したこともある。
昨日はスコセッシの『ケープフィアー』を探していて、ついに発見できなかった。
代わりに宮部みゆきの文庫本5冊に遭遇。どれも単行本で初出されたときに読んでいたものだが、買った覚えはまったくない。カバー裏にブックオフの値札シール。たぶん100円ってだけの理由で買っちゃったんだろう。
重複してしまった単行本は、いつか売らなきゃ……と思ってみたりもするが、実際に売りに行くことは滅多にない。なぜならば、本はすごく重いし、俺は自転車で移動しているからだ。
買って帰るときは、そんなに重さを気にしたことはない。不思議だ。

歌舞音曲にうつつを抜かし日常を怠慢に過ごしているキリギリスのようでもあり、また、せっせと巣穴に本やCDを運びこんでいるアリのようでもあり……

え?

単なる引きこもり?……なるほど!

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