巴里のアメリカ人|映画スクラップブック


2020/04/14

巴里のアメリカ人

巴里のアメリカ人
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AN AMERICAN IN PARIS
1951年(日本公開:1952年05月)
ヴィンセント・ミネリ ジーン・ケリー レスリー・キャロン オスカー・レヴァント ニナ・フォック ジョルジュ・ゲタリ

この映画を観るのは、映画館上映を含めて今回で3回目か4回目。やっ巴里、印象派絵画をモチーフにしたセットの「パリのアメリカ人」のダンスが圧巻。ガーシュインの音楽とテクニカラーの色彩が、映画の楽しさを倍増させている。ジーン・ケリーのダンスもさることながら、エキストラ・ダンサーの配置、動き、衣装、美術、そして照明が素晴らしい。ここが最大のポイント。そんな理由で何度も観てしまう。アーサー・フリード&ビンセント・ミネリの洗練されたセンスが輝く、永久保存のダンスナンバーだよ。

その終盤の見せ場に持っていくまでのストーリーは、ありきたりで他愛のないものだが、芸術の都パリに憧れ、第二次大戦後に居残りした米国人の、ボヘミアンな生活雰囲気がなんとなく表現されているし、老齢の女性2人をダンスに加えた「バイ・シュトラウス」、ケリーが子供たちと遊ぶ「アイ・ガット・リズム」、オスカー・レヴァントの「へ調の協奏曲」やジョルジュ・ゲタリーのステージ・ショー「天国への階段」などあって退屈はしない。
「ス・ワンダフル」は「パリの恋人」よりもこちらでの使い方のほうがマッチしている。歌ってるケリーとゲタリーに挟まれたレヴァントの仕草(小芝居)が面白い。

新星レスリー・キャロンの紹介を「踊る大紐育」の「ミス地下鉄」のダンスと同じ趣向でやってるが、「踊る大紐育」ほどインパクトは強くない。レスリー・キャロンのバレエは上手だけど魅力に欠ける。役柄としての制約もあるだろうけど、振付が「ミス地下鉄」ほどハッチャケてないからね。

夜のセーヌ河畔のダンスは、本作の「わが恋はここに」よりも、いまとなっては「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のファンタスティックな「恋の終わり」(ウディ・アレン&ゴールディ・ホーン)に軍配があがる。逆に「天国への階段」は「巨星ジーグフェルド」の超弩級セットと比べちゃうから、テクニカラーでもやっぱり見劣りしちゃうのね。

それとおれは、レスリー・キャロンよりもパトロンのニナ・フォックのほうが(金銭抜きで)100倍魅力なんだよ。
無理やりなハッピーエンディングのあと、彼女がどんな心境になるか考えると、とても心が痛む。明朗快活がセールスポイントのMGMミュージカルで、観客(おれ)をそんな気持ちにさせちゃいかんです。

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