2005年製作のミュージカル版。
オリジナルは1968年の「プロデューサーズ」。これがメル・ブルックスの映画監督デビューで、アカデミー脚本賞を受賞。それをメル・ブルックス自身の作詞・作曲・脚色で2001年にブロードウェイ・ミュージカル化し、トニー賞12部門受賞。
さらに舞台の演出・振付を手掛けたストローザー・マーティンが、主演のネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ゲイリー・ビーチ、ロジャー・バートで再映画化したのが本作。製作はメル・ブルックスのブルックスフィルム。
メル・ブルックスが日本で紹介されたのは、1974年の「ヤング・フランケンシュタイン」(75年10月公開)。古典映画のパロディでモノクロだったにもかかわらずそこそこヒットし、前作の「ブレージングサドル」も続けて76年2月に公開されたものの、「プロデューサーズ」オリジナル版はずっと日本未公開でビデオも出ない。噂ばかり耳にしていたが、NHK-BS2で観ることができた。その後、2000年に日本でも劇場公開されたらしい。オリジナル版の主演は、ゼロ・モステル(マックス・ビアリストック)とジーン・ワイルダー(レオ・ブルーム)。
シモネタ満載の下品なコメディが、アカデミー賞やトニー賞を受賞してしまう現実に、米国ショービジネス界のユダヤ人脈、ナチス嫌いがくっきり浮かび上がる。
ミュージカル版は、「ヒトラーの春」公演が意に反して大成功を収めたあとの展開が、オリジナルと異なる。よりミュージカルらしいエピソードに変更されていて、ネイサン・レインの本作最大の見せ場となる。初見のときは、そのエンタメ精神に感心したものだが。
映画は、特にコメディ映画は、そのときの気分・体調によって評価が上下する。
初見では、70点(年間ベストテン候補)付けるくらい楽しんで観たんだけど、今回は60点(標準作)に近い65点(上出来)。初見のときは、鳩の「ハイル・ヒットラー」にもゲラゲラ大笑いしてたんだけどなあ。
「笑い」って難しいね。
メル・ブルックスは「ヤング・フランケンシュタイン」もブロードウェイで上演(2007年/演出・振付は本作と同じストローザー・マーティン)したそうだが、そっちの評判はどうだったんだろう?
点