廃棄処分になる客船を25000ドルで買い取って製作した、バスター・キートンの長編第4作。
世間知らずの富豪の息子(キートン)が国際ギャングの陰謀に巻き込まれ、大邸宅の向かいに住んでいたこれまた世間知らずの海運会社の令嬢(キャサリン・マクガイア)と、(どうみても客船にしか見えない)巡洋艦で大海原を漂流。付近を航行中の船に助けを求めて旗を掲げるが、それが伝染病発生を知らせる旗だったため逃げられ、ついに人喰い土人の島(時代とはいえ人喰いとはエグイな)に漂着。座礁した船をなんとかしようと、潜水服を装着し、海底でカジキやらタコやらと大格闘のキートン。その間に令嬢は人喰いどもに拉致されて、縛られ焼かれ食われそうな絶体絶命の危機を、偶然突然現れた潜水艦に救助されてハッピーエンド。
家事全般を使用人任せだった若い二人だけに、食事するにも大変なトンチンカンぶりを見せて笑わせる。その後、キッチン用具を紐で吊り下げて便利に扱ってる場面は、短編時代にやってたアイディアの再現(作品名は忘れた)。
海底シーンは撮影用のプールではなく、シエラネヴァダ山中にあるタホ湖で、実際に潜って撮影された。防水ボックスにカメラを収め、潜水服のキャメラマンが4週間かけて撮ったそうな。まだ酸素ボンベが開発されていなかった時代のはなし。スゴイなあ。
点