U-571|映画スクラップブック


2020/06/22

U-571

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U-571
2000年(日本公開:2000年09月)
ジョナサン・モストウ マシュー・マコノヒー ビル・パクストン ハーヴェイ・カイテル ジョン・ボン・ジョヴィ デヴィッド・キース トーマス・クレッチマン ジェイク・ウェバー ジャック・ノーズワージー ジャック・ノーズワージー トム・グイリー デイヴ・パワー マシュー・セトル

1942年、第2次世界大戦下の北大西洋。航行不能になった独軍潜水艦から、秘密裏に暗号機(エグニマ)を略奪する任務を命じられた米軍潜水艦の奇襲作戦を描いた戦争アクション映画。
実話(実際に奇襲作戦を敢行したのは英国海軍)をベースに創作されたフィクションで、製作にあたって作戦に参加していた体験者や、当時のディーゼル潜水艦に乗務していた元軍人などからアドバイスを得たわりに、ストーリーは出鱈目が多い。
大西洋のど真ん中(米国警戒海域と英国警戒海域の中間点あたり)に、いきなりメッサーシュミットが飛んできたときは、(マジで)びっくりした。SFかいな?

敵軍からの夥しくも執拗な爆雷攻撃は間一髪でかわし、こちらからの攻撃は一撃必殺で決まる。ロジャー・ムーア時代の007なみのご都合主義。
敵の潜水艦を奪うのに、ハッチから手榴弾投げ込むとは荒っぽい。でもって、その潜水艦で逃げるんだもの。どんだけ頑丈にできてるのよ?
大詰めの独軍駆逐艦大爆発に大爆笑。艦首に弾薬庫があったのだろう。まるで「スター・ウォーズ」だね、これは。

潜水艦映画は密室劇でもあるので、成功の鍵は役者の存在感にある、と以前も書いたが、本作はこれもまるでダメダメ。乗務員の個性が希薄すぎて、だれが誰だか、だれが死んでだれが生き残っているのか、さっぱり分からん。ハーヴェイ・カイテル以外は、だれがどの役を演じていても、さほど変わらんのじゃないだろうか。
これはキャスティングのせいでも、役者の演技力のせいでもなく、ひとえに脚本が悪い。
艦長昇進を望むもまだその任にあらずと艦長の少佐(ビル・パクストン)から否定された大尉(マシュー・マコノヒー)が、作戦遂行中に艦長を失い、後任に就いて真の艦長として成長する、というのがストーリーの主軸だが、脆弱でぜんぜん軸になっていない。「あなたの指揮する艦になら、どこまでもついていきます」と曹長(ハーヴェイ・カイテル)に言わせても、見ている方はまったく納得できん。カイテルまでもが間抜けに見えてしまう。
潜水艦内部の場面も良くない。潜航しているのか浮上しているのかさえ分からん撮り方をしてる。セリフがなかったら何やってるのか分からん場面ばかり。テレビドラマかよ。

戦闘時の艦内は、キャメラをパンパン振った短いカット編集で、ますますよう分からん。カットごとに役者の立ち位置がころころ変わるのも良くない。
戦死した仲間を積載物と一緒に放出して敵を欺く戦略は「深く静かに潜航せよ」からのパクリだろうが、相手のリアクション場面がないから、それが成功したのか分からん。
独軍艦占拠のシークエンスなんか誰がどんな事やっているのか、誰が味方で誰が誰だか(みんな同じ服装だし)サッパリ分からん。
水深200メートル超でも、ぜんぜん緊迫感出てないんだもの。ここまでアクション・シーンのヘタクソな監督、めったにいないよ。

ディーゼル潜水艦は、航行可能な実物大のレプリカと、特撮用のミニチュア、部分的なセットに、マットペイント、CGなどを組み合わせて、超豪華に作られている。
製作費120億円! ディーノ・デ・ラウレンティス大盤振る舞いの超大作。
(作品自体に超大作の風格はない、大金注ぎ込んだB級お手軽娯楽という感じ)

気前よく投下される爆雷の水柱、水中で爆雷が爆発する場面、Uボートに魚雷が命中し、艦体が破裂した瞬間に水圧で内側に潰れるヴィジュアルが素晴らしい。これだけは本作の見ものだ。

誰が言い始めたのか知らないが、「潜水艦映画にハズレなし!」だそうだ。

エンドクレジットで、「エグニマ略奪作戦を行ったのは英国海軍でした」と言い訳しているのが可愛らしい。

60

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