「ウィンチェスター銃'73」のスタッフによる、ジェームズ・スチュワート主演の総天然色娯楽西部劇。
オレゴン州奥地へ移住する開拓農民の幌馬車隊と、そのガイド兼用心棒(ジェームズ・ステュワート)。
法律よりも、友情(信頼関係)と暴力(銃弾)が優先されていた西部開拓時代の物語。
私刑で吊るされかけていた無法者(アーサー・ケネディ)との理屈抜きの友情、そして裏切りはいいのだが、若い賭博師(ロック・ハドソン)や、開拓団の娘(ジュリア・アダムスとロリ・ネルソン)の位置付けが曖昧で、ドラマが薄味になっている。
ゴールドラッシュで守銭奴と化したポートランドのブローカー(ハワード・ペトリー)から食料を強奪するまでは(法律ではアウトでも心情的に)許されても、荷役に雇用した労働者たちまで銃の脅しで労働を強要するのは許されるものでない。越冬の物資を待ち焦がれている開拓民には気の毒だが、裏切られて当然。
西部開拓時代の非情とは言え、ジミーが配役されているからどうにか娯楽作品ぽく見えるけど、アクターズスタジオ系の役者が演じていたら、後味悪いものになっていたことだろう。
ハリウッド流儀のハッピーエンドで映画は終わるが、爽快感はない。
コロンビア河を遡る蒸気船、カラー撮影によるオレゴンの自然風景が良かった。
船長(チャビー・ジョンソン)と黒人船員(ステッペン・フェチット)のコンビもいい。ミシシッピから流れてきた船長にも、なにか面白い過去譚があったのだろうと想像する。
点