未知との遭遇|映画スクラップブック


2020/11/15

未知との遭遇

未知との遭遇|soe006 映画スクラップブック
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CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND
1977年(日本公開:1978年02月)
スティーヴン・スピルバーグ リチャード・ドレイファス フランソワ・トリュフォー テリー・ガー メリンダ・ディロン ボブ・バラバン ケリー・ギャフィ ランス・ヘンリクセン ロバーツ・ブロッサム カール・ウェザース

「JAWS ジョーズ」を大ヒットさせスタジオから信用と期待を得たスピルバーグが、やりたい放題わがまま放題に製作した、豪華絢爛な超大作自主映画。
企画段階から内容は極秘扱いされ、真っすぐ延びた夜道の先に強烈な光がデザインされたポスターと、キャッチコピー「We are not alone 宇宙にいるのはわれわれだけではない」のみで宣伝を展開。「UFOを扱った映画」であることしか情報を出さない徹底ぶり。
あの「JAWS ジョーズ」のスピルバーグの新作だけに期待は半端なく、公開が待ち遠しくてたまらなかった。

映画は、幾つかの印象的なエピソードを断片的に並べた「フレンチ・コネクション」風のセミ・ドキュメンタリータッチで始まるが、やがてストーリーは電力会社に勤務するエンジニア(リチャード・ドレイファス)に絞られてくる。
地域一斉停電の原因を調査している最中に未知の飛行物体と遭遇。そのショックから謎の発光体にとり憑かれ、家庭は崩壊。妻(妙に色っぽいテリー・ガー)は子供たちを連れて家を出ていく。一人になったドレイファスは更に狂気をエスカレートさせ、ダイニングキッチンいっぱいに巨大なジオラマを作る。が、それが何を意味するものか、ドレイファスにも分からない。
並行して、UFOを調査するフランスの博士(フランソワ・トリュフォー)と、幼い息子をUFOに拐われたシングル・マザー(メリンダ・ディロン)のエピソードが描かれる。バリー坊や誘拐の場面は、照明の使い方とか「エクソシスト」風で、ウィリアム・フリードキンがこの時代の映画にどれだけ影響を与えていたのかよく分かる。

未知との遭遇_誘拐

政府は陸軍と州兵を動員してUFOとの接触を極秘で計画。猛毒ガス発生による地域住民の避難、道路封鎖のニュースを見たドレイファスは、そこに自分の狂気の原因があると直感、ワイオミング州デビルズタワーへと向かう。
ここからエンドタイトルまでの40分間が最大の見せ場。最新鋭の音響システム(ドルビーステレオの重低音)と、ダグラス・トランブルを中心とした視覚効果のカーニバル、極めて映画的な光と音のスペクタクルが展開される。とんでもなく凄いものを見せられた興奮で、公開されたときは週2回、計4回も劇場(佐賀有楽会館)に足を運んだ。サウンドトラック盤も毎日聴いて、映像の記憶を脳内再生させていた。

現在流通しているビデオソフトはパッケージにバカでかいUFOがデザインされている。
最初っから「何が収録されているのか」知ったうえで観る「未知との遭遇」は、つまらないだろうな、と思う。
公開時に「観る体験」ができて良かった。

ストーリーによく分からない箇所が幾つもあったので、映画の説明不足を補うためハードカバーのノベライズも買って読んだが、それらの疑問はまったく言及されてなく、がっかりした思い出もある。
「2001年宇宙の旅」の分からなさは、キューブリックが意図して分からなくしているのだけど、こっちはスピルバーグの分からないをそのまま放置して作ってあるので、ポンコツなれど、そこが愛嬌になってる。

よく分からない、と言えば、
追加撮影や再編集を加えた「特別編」やら「ファイナル・カット版」やら、幾つもヴァージョンがあって、どれがどれだか分からなくなってしまっている。
最初に劇場公開されたものには、道路封鎖する軍人役で黒人俳優カール・ウェザースが出演していて、「ロッキー」で顔を覚えていたアポロ・グリードはハッキリ印象に残っていたのに、その後、劇場公開されたりビデオ販売された版に該当するシーンはなく、自分の記憶違いかと不安に思っていたけど、DVD(ファイナル・カット版/デラックス・コレクターズ・エディション箱入り2枚組)の特典映像に、削除されたシーンとして収録されていた。

未知との遭遇_カール・ウェザース

映画の記憶を混乱させるので、何度も再編集してソフト作るのやめて欲しいです(「ブレードランナー」とか)。

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