日本未公開(製作は1950年)だったので、あまり期待していなかったのだが、なかなか面白い素人探偵もの。舞台はロンドン。
貫禄の美貌を誇るディートリッヒと並ぶと、ヒロイン(ジェーン・ワイマン)は地味で見劣りがする。お茶目さが足りてないのか。幼いゆえの無鉄砲と危うさが、もう少し欲しかった。
ディートリッヒは、この映画でも「バラ色の人生」他を歌う。
ヒッチはワイマンよりディートリッヒを美しく(ディートリッヒらしく)撮ることに一生懸命だったのだろう。
刑事(マイケル・ワイルディング)と容疑者(リチャード・トッド)に、もう少し個性が欲しい。リチャード・トッドはアンソニー・パーキンス成分が不足してる。
二人の若い男性とは対象的に、父親役のアラステア・シムがいい。一人娘の父親役としては「昼下りの情事」のモーリス・シェバリエと並ぶ好演。今年の助演男優賞候補。
点