人情抜き、社会倫理抜き、フランク・キャプラのドタバタ爆笑篇。
原作はジョセフ・ケッセルリングの舞台劇。
コメディを得意としたキャプラの作品中、これが一番笑いが多い。
「我が家の楽園」と同じく変人奇人のオンパレード。
登場人物がやたら多い点が共通。
ギャグの発想も似ている。「我が家の楽園」では地下室の爆発で壁掛けが落ちたが、本作では2階のドアが閉まるたびに時計の針が緩み時報の鐘がなる。
「フィラデルフィア物語」では木偶の坊だったケイリー・グラントも、ここでは水を得た魚のように、縦横無尽の大活躍、変顔(寄り目)も連発。
いつもの3倍はあるだろうキスシーン。
相手はファニーフェイスのプリシラ・レイン。
結婚したばかりではあるのだけれど、顔合わせる度にキスしてる。
結婚反対論者だったグラントが、婚姻届を出しに彼女と役所を訪れている場面から始まる。いきあたりばったりで勢いよく話を転がしていくのがスクリューボールの特徴。結婚嫌いの設定はその場限りで、あとあとのストーリーに絡まない。
ボリス・カーロフそっくりにメイクされたレイモンド・マッセイとピーター・ローレの起用が成功。怪奇映画、サスペンス映画風に撮影された場面に(パロディで笑わせているわけではないのだが)大爆笑。
ジョセフィン・ハルとジーン・アディアの老姉妹が可愛い。
ジョン・アレキサンダーのルーズベルト大統領はちょっとしつこい。
ワーナー・ブラザースなので音楽はマックス・スタイナー。ミッキーマウジングでべったり劇伴を付けている。葬送行進曲と結婚行進曲(ワグナー)はよく似てる。
ファーストシーンが野球場の大乱闘。よく分からない。時事ネタだったのだろうか?
点