「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー監督が、イギリスのロックバンド「クイーン」誕生からライブ・エイド公演まで、ボーカル&ピアノ担当のフレディ・マーキュリーを主人公に描いた伝記映画。このタイプの音楽にまったく詳しくないけど、製作スタッフに「クイーン」のギタリスト、ブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーが加わり、実話に忠実なストーリーらしい。全編に彼らの音楽(歌唱はフレディ本人の音源を用いたとのこと)が流れる。
バンド結成からフレディが抜け駆け的にソロ活動するまでの前半はよくある出世物語で、そっくりさんによる再現ドラマ風。「クイーン」に興味ない人にはどうでもよく、ファンはそんなのもう知ってるよという感じだろうか。
フレディがAIDSを発病し、バンド仲間と和解してエイド公演を成功させる後半は、良くできている。ロックな息子を嫌悪していた父親が改心する場面は(唐突に挿入されるエピソードだが)感動的でなかなか良い。
クライマックスは1985年7月にウェンブリー・スタジアムで開催されたバンド・エイド公演の再現。様々な撮影技法を駆使して最大の盛り上がりをみせる。そこに集約させるテリングに(実話を離れてでも)もう少し工夫があれば良かったのにと思う。 映画の最初の方で、フレディ(ファルーク・バルサラ)が移民差別されているあたりが「X-MEN」のブライアン・シンガーらしさ、だろうか。全体にストーリーが施されたミュージック・ビデオといった印象。誰が監督しても同じ。
あと個人的に、むさいおじさん同士のキスシーンは勘弁。
点