パリの(モンマルトルっぽい)下町で繰り広げられる花売り娘アンナとタクシー運転手ジャンの恋物語。ルネ・クレールのトーキー4作目。
ルネ・クレールの映画はみんな好きだが、そのなかでも飛び抜けて大好きな映画。何度も見てるけど、やっぱり(巴里)今日もラストで涙が溢れた。見てるあいだじゅうずっと幸福感に満ち満ちて、うん、やっぱりルネ・クレールはいいなあ。
ラザール・メールソンの(やっぱり凄い)オープンセットによるオープニング。
アパートメントの窓に革命記念日のお祝いの飾りをつけるパリ市民たち。ジョルジュ・ペリナールの移動撮影が素晴らしい。モーリス・ジョーベールの音楽が素晴らしい。
可憐で可愛いアナベラ。好漢ジョルジュ・リゴー。その友人のタクシー運転手に「自由を我等に」のレイモン・コルディ。常連俳優ポール・オリヴィエの酔っぱらい紳士は、キーストン短編時代のチャップリン・オマージュ(母親と二人暮らしの花売り娘は「街の灯」か?)。チャップリンの酔っぱらいと違って品があるのが良い。毒女ポーラ役は「巴里の屋根の下」のポーラ・イレリ。前3作では見られなかった子供たちが登場。丘の階段を駆け上り駆け下りる。自然体の動きがとても良い。
突然の雨、雨宿り。雷で急接近してキス。落語の「宮戸川」だね!
粋で軽妙、お洒落なフランス映画。
マイ・フェバリット・ラブコメの1本。
点