第一次世界大戦という異常な状況下で出会った高校生と人妻の決して報われない恋愛物語。レイモン・ラディゲが17歳のときに執筆した小説が原作。ゆえに優柔不断で刹那的。表現を変えれば未熟で青臭い恋愛。物語の行方は宿命として悲劇へと向かう。
誰かが死ななければ結末に至らないストーリーは見ていて辛く気が重い。
戦争が終わり祝砲と鐘が街中に鳴り響くなか、お祭り騒ぎしている人混みを掻き分け、少年(ジェラール・フィリップ)は人妻(ミシュリーヌ・プレール)と過ごした想い出の部屋を訪ねたあと、葬儀がおこなわれている教会に向かう。回想形式。雨の場面が多い。
繊細で叙情的な描写を丁寧に積み重ねるクロード・オータン=ララの代表作。主演のふたりの他、ミシュリーヌ・プレールの母親を演じるドニーズ・グレイ、ジェラール・フィリップの父親を演じるジャン・ドビュクールが好演。
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