ペーパー・ムーン|映画スクラップブック


2022/01/10

ペーパー・ムーン

ペーパー・ムーン|soe006 映画スクラップブック
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PAPER MOON
1973年(日本公開:1974年03月)
ピーター・ボグダノヴィッチ ライアン・オニール テイタム・オニール マデリーン・カーン ジョン・ヒラーマン P・J・ジョンソン ジェシー・リー・フルトン ランディ・クエイド ノーブル・ウィリンガム

詐欺師と少女の珍道中記。

ライアン&テイタムの父娘のキャスティングが成功している。顎が似ているのが決め手となった。特にテイタム・オニールの表情とハスキーボイスが素晴らしい。ライアン・オニールもハリウッド黄金時代のスター俳優っぽいルックスがマッチしている。
ライアンはスタント無しで車も運転している。急発進で密造酒の箱の上に乗っているテイタムが落っこちそうになるショットはヒヤッとする。

ペーパー・ムーン

大恐慌時代を再現した美術と撮影が見事。舞台はカンザス州、どこまでも平坦な風景が孤独な雰囲気を醸して素晴らしい。シンプルだけど、どのショットもスムーズで的確。無駄なショットがない。ほとんどの場面がパン・フォーカスで撮られている。撮影には(オーソン・ウェルズのアドバイスで)赤いフィルターを使ったとのこと。赤いフィルターだと現像したとき、顔色はより白く、空の青みはより黒くなる。画面はビスタサイズだが、スタンダードサイズの「駅馬車」や「荒野の決闘」みたいに空が大きく感じられる。素晴らしいアングル。長回しで撮られているシーンが多い。的確なフレーム、スムーズでスピーディ。移動遊園地の場面は僅か2ショット。移動撮影のお手本。逆に取調室の場面はショット毎にアングルが変わるという懲りよう。
撮影監督はラズロ・コヴァックス。「イージー・ライダー」や「ファイブ・イージー・ピーセス」「未知との遭遇」も手掛けている。どれも田舎の空が印象に残る映画。

ペーパー・ムーン

シナリオは三幕構成のお手本。

劇伴音楽は使わず、「ラスト・ショー」同様に当時のポピュラー・ソングをBGMで流している。ラジオ好きのアディが鳴らしているという設定で、昨今のロマコメのような安易な垂れ流しではない。

コッポラ、フリードキンとともにディレクターズ・カンパニーを立ち上げ、アメリカ映画界をリードする気鋭の映像作家として俄然注目を集めたものの、スピルバーグやルーカスなど、より娯楽性が強いスペキュタラーな映画作家が頭角を現すとともに、3人の存在感は薄くなっていった。

ペーパー・ムーン

「ペーパー・ムーン」はボグダノヴィッチのベスト、最高傑作だ。

70

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映画採点基準

80点 オールタイムベストテン候補(2本)
75点 年間ベストワン候補(16本)
70点 年間ベストテン候補(76本)
65点 上出来・個人的嗜好(72本)
60点 水準作(71本)
55点以下 このサイトでは扱いません

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