ニューヨークの地下鉄がジャックされ、犯人たちは乗客を人質に100万ドルの身代金を市に要求してくる。タイムリミット1時間。4人の犯人たちが地下鉄に乗り込む序盤から、ウォルター・マッソーのとぼけたアップで終わるラストまで、快速テンポで面白い。犯罪サスペンス映画の傑作。
最初に登場したときからマーティン・バルサムはクシャミしている。クシャミで始まりクシャミに終わる映画。ロバート・ショウの最期も、感電するから危ないよって、ちゃんと前フリしてある。脚本の仕込みは用意周到。
身代金を運ぶパトカーが事故って転倒したり、咄嗟の機転で時間稼ぎしたり、あの手この手でサスペンスを盛り上げる。
地下鉄運行に携わる人たちと警察、働くおじさん(おばさんもいる)をしっかり描いているのが良い。脅迫されたニューヨーク市長の狼狽など、絶妙なタイミングでユーモラスな場面を入れて緩急の変化があるもの良い。
硬のロバート・ショウと柔のウォルター・マッソー、キャスティングが上手い。
「レザボア・ドッグス」でタランティーノがギャングたちの呼び名を色名にしていたのは、本作を真似たのか。チームワークを乱す奴を混ぜてサスペンスを作っているのも、きっとそうだ。
ロバート・ショウ(Mr.ブルー)
マーティン・バルサム(Mr.グリーン)
ヘクター・エリゾンド(Mr.グレイ)
アール・ヒンドマン(Mr.ブラウン)
音楽がかっこいい。「夜の大捜査線」「バンク・ジャック」のクインシー・ジョーンズ、「ブリット」「ダーティハリー」のラロ・シフリン、「フレンチ・コネクション」のドン・エリス、そして本作のデヴィッド・シャイア。70年代サスペンス映画の音楽はジャズのビートがかっこいい。
東京の地下鉄の経営者が、制御室に視察に来ている。
左側の男性は戸浦六宏さんに似ているが別人。
「ティファニーで朝食を」のミスター・ユニオシとか、「ファール・プレイ」の「コジャック、バン、バン」のタクシー客とか、「ブレードランナー」の屋台の親父とか、アメリカ映画に出てくる日本人は面白い人が多い。
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