歩道の三人女|映画スクラップブック


2022/03/20

歩道の三人女

歩道の三人女|soe006 映画スクラップブック
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THREE ON A MATCH
1932年(日本公開:1934年06月)
マーヴィン・ルロイ ジョーン・ブロンデル ベティ・デイヴィス アン・ドヴォラック ウォーレン・ウィリアム ライル・タルボット ハンフリー・ボガート グレンダ・ファレル エドワード・アーノルド アレン・ジェンキンス

ニューヨーク市の公立中学校に通う3人の娘が卒業後、それぞれの人生を歩んで大人の女に成長する。この過程を(禁酒法が施行された1919年から大恐慌真っ只中の1934年までを)当時の記録映像や新聞のモンタージュをインサートしつつサクサクすすむ。

遅れて生まれてきた映画ファンには、当時の時代背景・アメリカ風俗がコンパクトにまとめられていて、ちょっとした勉強になる。この導入部は嬉しかった。

なにしろ上映時間は1時間3分、無駄なことは一切やらない。脚本はルシアン・ハバード(原案はキューベック・グラスマン&ジョン・ブライト)。

歩道の三人女

再会した3人は食後のテーブルで煙草に火を付ける。同じマッチで三人が煙草に火を付けると、そのうちの誰か一人が死ぬ。第一次世界大戦中の軍隊で流行ったジンクス(映画の中で説明が入る)。いまの言い回しだと「フラグが立った」ということか。

歩道の三人女:ベティ・デイヴィス

三人のなかで最も成功し有名になったのはベティ・デイヴィスだが、出番も少なく役柄も地味で目立たない。ただの脇役。

歩道の三人女:ジョーン・ブロンデル

少女時代からの流れで、クラブのショーガールになったジョーン・ブロンデルが主人公のように思えた序盤の展開だったが、彼女は狂言回し。

ちなみにこのシーン、イマジナリーラインを無視して撮影されている。横顔は左側しか撮らせないと言っていたクローデット・コルベールみたいに、女優からの注文があったのだろうか?

歩道の三人女:アン・ドヴォラック

本作の主人公は「暗黒街の顔役」でポール・ムニの妹を演じていたアン・ドヴォラック。裕福な弁護士(ウォーレン・ウィリアム)と早々に結婚し男の子を産んだものの、夫に愛情を感じられず、子供を連れて家出し、ヤクザな優男(ライル・タルボット)と堕落した生活を始める。

育児放棄された幼い子供を心配するジョーン・ブロンデルは、父親の弁護士に彼女の居場所を密告。子供は無事に引き取られ、弁護士はアンとの離婚協議に決着がつくとすぐにジョーンと再婚。
アンはどん底に落ちぶれ、外出したジョーンを待ち伏せて金を無心するようになる。
ギャングに多額の借金をしていたライル・タルボットは、いまでは弁護士夫人となったジョーンの過去を新聞に売ると脅迫するが相手にされず、身代金目的で子供を誘拐してしまう。
その情報を警察無線で知ったギャングは、ライルのアパートに押しかけアンと子供を監禁、さらに多額の身代金を弁護士に要求する。ところが誘拐現場の目撃情報から、警察の捜査網はライルのアパート近辺に絞り込まれ、発見されるのは時間の問題。窓から覗くとパトカーが表通りに次々と集まってきている。焦ったギャングたちは非情にもアンと子供を始末しようとする。

そこで、アンは究極の行動に出る。

この映画のラストは、マーヴィン・ルロイが先に監督した「犯罪王リコ」や「仮面の米国」よりも更に強烈だ。

アメリカ映画史に詳しい人によると、映画表現の自主規制(ヘイズ・コード)が厳しくなる直前の、1929年から1934年の期間(プレ・コード期と呼ばれているらしい)だったからこそ可能なラストシーンだったとのこと。

歩道の三人女:アン・ドヴォラック

有閑マダム、ヤクザの情婦、落ちぶれて監禁されてボロボロな女を熱演。

歩道の三人女:エドワード・アーノルド

これが映画デビューらしいエドワード・アーノルド。ギャングのボス役でワンシーンのみの出演。デビュー作とは思えぬ貫禄と迫力。

歩道の三人女:ハンフリー・ボガート

遅れて生まれてきた映画ファンには「マルタの鷹」(1941)以前の(まだ売れっ子になる前の)ボギーが見られるのも嬉しい。

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