師匠を殺された若い詐欺師がベテラン詐欺師と組んでマフィアのボス相手に大仕掛けのペテンを計画。執念深い刑事と殺し屋とFBIと食堂のお姉さんが絡んで二転三転の騙し合い。最後まで騙されていたのは俺だったりする面白映画。
ストーリーに直接関係しないけど、本番前に雨を降らせるのがじんわり効いている。FBIの登場と土砂降りの雨。雲行きが怪しくなってきたぞというメタファー効果。
本番前夜、レッドフォードとニューマンの静かな佇まいを交互にインサートして巧い。
このあたりで観客は主人公たちの心情に(騙されているとも知らずに)完全に同化している。BGMはスコット・ジョプリン「ソラス」のピアノ・ソロ。編曲はマーヴィン・ハムリッシュ。
この時代のネクタイはナプキンのように幅が広い。衣装はイーディス・ヘッド。
高架を通過する電車の音など(デヴィッド・リンチみたいに)けっこうな音量で録られていたことに気づいた。アカデミー賞でも音響賞を受賞している。なるほど。
観るたび毎回違ったところに発見がある。
最後の競馬にロネガンが賭けた50万ドルは現在価値で950万ドル(日本円換算で約10億円)。
ラスト・ショットで主役のふたりがアイリス・アウトしたあとのエンドクレジットが気持ち良い。追い出し音楽は「ラグタイム・ダンス」。
あー愉しかった、面白かったという気分を満喫させてくれる素晴らしい選曲。
ロイ・ヒルは音楽の扱いがとても上手い。イェール大学で音楽を専攻、ヒンデミットに師事していたそうだ。なるほど。
登場人物を絵入りで紹介するメインタイトルは、1930年代ワーナー・ブラザース製作のギャング映画のスタイル。
点