「地球最後の日」「宇宙戦争」など特撮SF映画の先駆者ジョージ・パルが製作した、奇術師ハリー・フーディーニの伝記映画。
トニー・カーティスとジャネット・リーの夫婦共演で、ふたりの出会いから事故死までを、見せ場きっちりテンポよく仕込んだ脚本の手際良さ。
工場勤めの不遇時代、愛妻ベスを助手にして一瞬にして入れ替わる箱抜けのマジック、ヨーロッパ公演の成功、マスコミを利用した売り込み、刑務所からの脱出、凍結した運河からの脱出、心霊術への傾倒、インチキ霊媒師のトリックを暴くサイキックハンター、死因となった虫垂炎。
それぞれ史実をベースに、ハリウッド流儀の脚色(「探偵物語」のフィリップ・ヨーダン)でストーリーがダレない。プロの仕事。
ミッキーマウジングで貼り付けられたロイ・ウェッブの劇伴が良い。
この時代の映画は、キャメラ、照明、メイク、衣装が一致団結してヒロインを綺麗に撮っている。
映画はタネも仕掛けもある魔術。テクニカラー万歳!
点