ムーンライトSY−3号
July 8, 2003
ただいまトップページを飛んでいるのは、1968年製作『怪獣総進撃』に登場した月ロケット、ムーンライトSY−3号。
35年も昔のものとは思えぬモダンなデザイン。ちょこっとデフォルメして、寸詰まりにしてます。実物はもっとスリムでやんす。
映画は典型的な侵略宇宙人もので、SY−3号機長(久保明)の「燃える熱血」が、地球を宇宙人の魔手から救っちゃうおバカ映画。
11匹も怪獣が勢揃いしてるのに、久保明機長のほうがウンと存在感があるんだから、これは怪獣映画とは呼べないっす。
その熱血おバカ機長よりも目立っているのが、東宝スーパーメカの中でも屈指の人気を誇るムーンライトSY−3号なわけです。
当時、これのプラモデルが欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて……執念深くおねだりしたら、ならば誕生日のプレゼントってことで、買って頂けることになりました。ラッキー!
当時の俺がどのくらい執念深くおねだりしていたのかって言うと、この映画が公開されたのが夏休みで、俺の誕生日は2月6日。
つまり、欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい……と半年間訴え続けておったわけです。
子供ぢゃなけりゃキチガイです。
念願の誕生日、俺は母親から貰った五百円札をズボンのポケットにねじ込み、たったったかた〜たたたたたた、たったったかた〜たたたたたた、と「総進撃マーチ」を口ずさみつつ、模型屋へと自転車を走らせたのだった、のだが……
が〜ん!
お金を、途中で落っことしちまいました。アンラッキー!
持ち馴れない大金を手にしたのが、大間違いの元でありました。母親にこっぴどく怒られ、怒られるのは金を落とした自分が悪いんで、なんともないけど、目当てのSY−3号を入手出来なくなってしまった悔しさは、もうどう心の決着をつけていいのか分からない。ただ悔しくって悲しくって……泣いた泣いた、三日三晩、泣きに泣き暮れましたよ。もしかしたら拾った人が届けてくれてるかも知れないと、近所の交番に一週間くらい通い詰めましたね。
そのときの一部始終を、クラスメイトの江頭しげとくん(仮名)が作文に書いちまったもんだから、俺は一躍クラスの笑い者になっちまいました(いまだったら肖像権侵害で訴えてやるところだぜ)。
ムーンライトSY−3号には、そんな苦い思い出もあったのでござんす。