レッド・オクトーバーを追え!|映画スクラップブック


2020/06/20

レッド・オクトーバーを追え!

レッド・オクトーバーを追え!|soe006 映画スクラップブック
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THE HUNT FOR RED OCTOBER
1990年(日本公開:1990年07月)
ジョン・マクティアナン ショーン・コネリー アレック・ボールドウィン スコット・グレン サム・ニール ジェームズ・アール・ジョーンズ ピーター・ファース ティム・カリー

ソビエトが開発した大型原子力潜水艦レッド・オクトーバー。キャタピラーシステムなる無音推進装置を備えたこの最新鋭潜水艦ごと亡命を謀る艦長と配下の士官たち。それに対応する米国国防省の駆け引きとCIA情報分析官の活躍を描いたトム・クランシーのベストセラー小説を、ジョン・マクティアナン&ヤン・デ・ボンの「ダイ・ハード」コンビで映画化した軍事スリラーの快作。

ロシア国歌をフィーチャーしたベイジル・ポールドゥリスの音楽が効果的で、レッド・オクトーバー号がムルマンスク沿岸の基地を出港するオープニングから、並々ならぬ緊張感が漂う。

潜水艦映画は密室劇なので、成功の鍵は役者の存在感によるところが大きい。
「レッド・オクトーバーを追え!」は、ほぼ完璧なキャスティング。
ショーン・コネリー(レッド・オクトーバー艦長)
サム・ニール(レッド・オクトーバー副長)
ティム・カリー(レッド・オクトーバー軍医)
アレック・ボールドウィン(CIA情報分析官)
ジェームズ・アール・ジョーンズ(海軍提督)
スコット・グレン(米国潜水艦ダラス艦長)
コートニー・B・ヴァンス(米国潜水艦ダラスソナー員)

レッド・オクトーバーを執拗に追うソビエト原潜コノヴァロフが、自艦が発射した魚雷で自滅してしまう場面にユーモアが加味されていて、艦長(ステイラン・スカルスガード)が気の毒だ。連絡伝達の遅れで焦っている心理をもっと押して、悲劇に描いていれば間抜けな印象にはならなかったと思う。対戦相手へのリスペクトを怠ったぶん、作品が軽くなった。
ダラス艦長役のスコット・グレンが悪いわけではないが、ここにショーン・コネリーと堂々と渡り合えるような、ジーン・ハックマンかジャック・ニコルソン、デ・ニーロあたりをキャスティングしていたら、もっと重量級の緊迫感が出ていたと思う。とにかくショーン・コネリーの存在感がデカすぎて、結末はなるようになるんだろうという安心感が生じている。

大統領補佐官(リチャード・ジョーダン)と駐米ソビエト大使(ジョス・アックランド)の腹芸には笑わせてもらった。

CIA情報分析官ジャック・ライアンを主人公としたトム・クランシーの小説は、このあとシリーズ化され、そのうち「愛国者のゲーム」「いま、そこにある危機」「恐怖の総和」が映画化されているが、ライアン役はハリソン・フォード(「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」)、ベン・アフレック(「トータル・フィアー」)と作品ごとに変わっている。終始しかめっ面したハリソン・フォードはぜんぜん原作のイメージと違っていて論外。本作のアレック・ボールドウィンがベストだと思う。
それにしても、このあと(小説は)シリーズが続くにつれ、ライアンは大統領にまで出世するし、日本やイラン、中国、ロシア、北朝鮮を相手に戦争しまくるとは想像もしていなかった。

特殊撮影はジョージ・ルーカスのILMが担当。ついにCGで水も扱えるようになったのかと、公開当時は感心した。キャメロンの「アビス」のようなSFファンタジーだけでなく、現実的な場面でも普通にCGが使われだしたのはこの頃からだった。

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