シリーズ第3弾は3D(飛び出す映画)。
シルベスター・スタローンの悪役が仕掛けた「ゲームオーバー」なるヴァーチャル・ゲームに捕らわれた子供たちを、スパイキッズの弟くんが救出にいく。
お姉ちゃんは不在。映画の後半まで出てこない。
まず劇場で配られた3Dメガネで「うひゃー」と驚いた。赤と青のセロファンが入った、あの「東映まんがまつり」で配られていたのと同じチープ極まりない、懐かしい立体メガネ! こんなんで喜ぶのは限られた世代のむかし子供くらいだろうよ。
これ、すごく目が疲れるんよ。(現在主流の)偏光グラスの3Dも目が疲れるから、なるべく普通の2Dで見るようにしてるのだが、赤青セロファン方式はもっと、もっとつらいの。それはロドリゲスも分かっていて、飛び出す映画は、劇中の「ゲームオーバー」世界に入ってるときだけに限定し、メガネを掛けるタイミングと外すタイミングをテロップで指示している。子供の健康を損なわないよう気遣いしてるの。偉いね。
そんなにラジー賞が欲しかったのか、スタローンが1人5役のオモシロ悪役。「スタートレック2/カーンの逆襲」のリカルド・モンタルバン(当時80歳過ぎてたはず)が超人化して縦横無尽の大活躍。ストーリーに何ら絡むことなくあっけなく消えるイライジャ・ウッド。クライマックスはシリーズ・キャラクター勢揃い。巨大化したスタローンに立ち向かうオールスター大活劇。
シリーズの掉尾を飾るべく、最も豪華に盛り上げた本作が、シリーズ中最もつまらない。
そもそもがヴァーチャルゲームの如きスパイキッズ・ワールドのなかに、更にゲーム世界を仕込んだのが失敗。すっかり大人体型に成長したお姉ちゃんが後半まで出てこないのも失敗。スタローンだけ出しとけば後はどうにかなるだろ的な、テキトーなストーリーで撮ったのが失敗。いちばん面白かったのがジョージ・クルーニーのモノマネ芸(スタローン)だった、というのが情けない。
点