終着駅|映画スクラップブック


2021/07/20

終着駅

終着駅|soe006 映画スクラップブック
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STAZIONE TERMINI
1953年(日本公開:1953年09月)
ヴィットリオ・デ・シーカ ジェニファー・ジョーンズ モンゴメリー・クリフト リチャード・ベイマー ジーノ・チェルヴィ

すべての道はローマに通じる。

ヴィットリオ・デ・シーカ監督以下スタッフはイタリア人ばかりだが、デヴィッド・O・セルズニック製作のアメリカ映画。
主演はセルズニックのジェニファー・ジョーンズとモンゴメリー・クリフト。
前年(1952年)の「真昼の決闘」を意識していたのか知らないけど、時計のカットを頻繁にインサートして上映時間と劇の進行のタイミングを合せたストーリー構成。

終着駅

人妻のジェニファーがイタリア旅行中に恋仲になったモンゴメリー・クリフトのアパートを訪ねるファーストシークェンスのあとは、落成したばかりのローマ駅に舞台を固定。
そこを往来する人々のスケッチに、デ・シーカらしい庶民派タッチの人情がうかがえる。公衆電話のナンパ中年男(パオロ・ストッパ)とかコミカルなのも面白いが、構内警察の室長がみせる粋な温情裁きが本作のハイライト。池波正太郎「鬼平犯科帳」にも似たエピソードがあったような気がする。

三等客の待合室でジェニファーが知り合う移民一家、その子どもたちに両手に持ちきれないほどのチョコレートを買い与える場面はデ・シーカならではのネオレアリズモ。

主役ふたりの恋の成ゆきはセリフによって説明される。
その(アップを多用した)やりとりはいささかネチッこくて、うざったい。ジェニファーの目まぐるしく変化する表情は、もはや怪演と呼びたいくらいに凄味がある。

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ジェニファーおばさんにスーツケースとコートを届ける少年は、のちに「ウエスト・サイド物語」でトニー役を演じたリチャード・ベイマー。

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