アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン共演の犯罪サスペンス。
スター共演ありきの企画ではあるが、アラン・ドロンが女に騙されてハメられるという点でミス・キャスト。彼が仕事を引き受けるまでの展開がまどろっこしい。女(オルガ・ジョルジュ=ピコ)に魅力が乏しいのと、脚本構成がギクシャクしているのが原因。
ブロンソンが美人局っていうのも、キャラと合っているようには思えない。
ドロンとブロンソンが金庫室に閉じこもってからの40分間は、ときおり警備員が見廻りにくるものの、ふたりの芝居だけで場をもたせてしまう。しかも上半身裸になって汗まみれになって殴り合ってという、スター男優すべて見せます的なシーンの連続。ファンにはたまらんだろう。
密室から屋外への移動で開放された気分になるからか、ビルを脱出してからは展開がグッと良くなる。
警部役のベルナール・フレッソンが良い。「フレンチ・コネクション2」でもジーン・ハックマン相手に味のある警部を好演していた。フランス映画の警部はこの人に限る、みたいな存在感がある。香港警察の部長はトン・ピョウさんに限る、みたいな。
コップに水張ってコインを一枚一枚落とすの、真似したなぁ。
だけど、やっぱりこの映画はフランソワ・ド・ルーベの音楽と、煙草のラストシーンだ。
イェーイ!
ユニバーサル・ジャパン(スタジオキャナル)のDVDは、日本語字幕の出来が悪いのが多いが、本作は最悪レベル。コスミック出版の500円DVDでさえ、もっとマトモな翻訳者使ってるぞ(怒)。
点