刑期を終えて出所したばかりのジョニー(アル・パチーノ)は、ニューヨークの大衆食堂でコックの職を得て働き始める。同じ職場でウェイトレスをやっているフランキー(ミシェル・ファイファー)を口説くが、彼女は過去を隠し、頑なに心を開こうとしない。
おっさんとおばさんの下町人情ロマンス。
都会生活の臭いがする前半がいい。東京で独り暮らししていた頃を思い出す。
ジョニーは「ロミオとジュリエット」を持ち歩いている。
中古ビデオデッキも買えない貧乏人にとって、読書はいちばんリーズナブルな娯楽だ。
低所得者の普段着(衣装:ロザンナ・ノートン)に現実感があっていい。
ミシェル・ファイファーも前半のすっぴんに魅力がある。
後半はふたりの過去語りがもたつくものの、ドビュッシー「月の光」で一気に逆転。
フッ素入り歯磨きで爽やかなラストをむかえる。
食堂の店長役は、ゲイリー・マーシャルの常連俳優ヘクター・エリゾンド。
シナリオがハリウッドに売れたと狂喜する同僚のコック(グレン・プラマー)に幸あれ!
点