ザ・ベリー・ベスト・オブ・ナット・キング・コール
February 20 2011
ボーカル・ア・ラ・カルト
最近、唐突にナット・キング・コールの歌が好きになった。
ピアノ・トリオ時代の軽くて粋なナット・キング・コールは以前から好きだったが、なんと、ポップス歌手に転向してからの、甘ったるいストリングス・オーケストラをバックに歌っているディスクも頻繁に聴いている。
これはやはり、老化現象だろうか?
THE VERY BEST OF NAT KING COLE
ナット・キング・コール(vo、p)
Disc1
01 Unforgettable (1951)
02 Mona Lisa (1950)
03 Too Young (1951)
04 Orange Colored Sky (1950)
05 Somewhere Along The Way (1952)
06 Because You're Mine (1952)
07 Pretend (1952)
08 Smile (1954)
09 Faith Can Move Mountains (1952)
10 Lush Life (1949)
11 Darling, Je Vous Aime Beaucoup (1953)
12 A Blossom Fell (1954)
13 Don't Let Your Eyes Go Shopping (For Your Heart) (1952)
14 Nature Boy (1953)
15 Autumn Leaves (1953)
16 To The Ends Of The Earth (1956)
17 Too Young To Go Steady (1955)
18 Funny (Not Much) (1952)
19 Return To Paradise (1953)
20 Make Her Mine (1953)
21 Can't I? (1953)
22 Love Me As Though There Were No Tomorrow (1955)
23 Dreams Can Tell A Lie (1955)
24 Mother Nature And Father Time (1952)
25 The Christmas Song (1946)
Disc2
01 Sweet Lorraine (1940)
02 Route 66 (1946)
03 For Sentimental Reasons (1946)
04 It's Only A Paper Moon (1943)
05 Straighten Up And Fly Right (1943)
06 Gee Baby Ain't I Good To You (1943)
07 Firm Fram Sauce ,The (1945)
08 You Call It Madness (But I Call It Love) (1946)
09 Don't Blame Me (1945)
10 Exactly Like You (1949)
11 Put'em In A Box Tie'em With A Ribbon (1947)
12 Lost April (1947)
13 Meet Me At No Special Place (1947)
14 Harmony (1947)
15 Jet (1950)
16 Red Sails In The Sunset (1951)
17 I Alomost Lost My Mind (1949)
18 Lillette (1947)
19 For You My Love (1950)
20 What'll I Do? (1947)
21 Little Girl (1946)
22 Those Things Money Can't Buy (1947)
23 Angel Eyes (1953)
24 Almost Like Being In Love (1953)
25 This Can't Be Love (1953)
Recording Date: 1940-1956
Release Date: 2007
Not Now Music(UK)
紹介しているCDは、パブリックドメイン(著作権切れ)音源を廉価販売している英国のレーベル、Not Now Music からリリースされた2枚組。
原盤リリースから50年を経た音源は著作権フリーということで、いろんなサードパーティーのレーベルが過去の名盤を続々復刻しているのが現状。ナット・コールのパブリックドメイン盤は、ベスト盤だけでも数十種類出ていると思う。
音質はマスター音源の状態によって玉石混交だけど、Not Now Music はわりと良質の原盤を使っていて、デジタル・リマスターが巧い。これまで数枚買ってみたけど特に酷いものには当たってない。
音質は最初から期待してない。なにしろ元は SP〜アナログ・ステレオ初期の時代の録音だから、聴けるだけで充分と割りきって買ったのだが、かなり良質だと思う。
いまさら比較はできないが、30年くらい前に東芝が出していた LP盤より良い音のように思う。
この2枚組ベスト盤には、1940年のデッカ録音から1954年までの、ナット・コールのヒット・チューンが 50曲収録されている。
ナット・コール(vo、p)、オスカー・ムーア(g)、ウエズリー・プリンス(b)による「スイート・ロレイン」は、コール・トリオ最初期の録音(1940年)で、ナット・コールはこの曲を何度も録音しているが、こちらの演奏がその原点であります。
さすがにトリオ時代の演奏は、原盤がSPだけに少々ノイズ混じりだけど、50年以降の録音は音質良好。
コール・トリオ時代の「イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン」、「ルート66」、「リトル・ガール」から、ネルソン・リドル楽団のゴージャスな伴奏で大ヒットした「アンフォゲッタブル」、「モナリザ」、「ネイチャー・ボーイ」、「トゥー・ヤング」、「枯葉」、「スマイル」、クリスマス・ソング定番中の定番「ザ・クリスマス・ソング」まで、ポピュラー歌手として大成功した時代の人気曲を網羅。
1曲あたり 20円以下。コストパフォーマンスはすこぶる高い。
軽快にスイングする初期のナット・コールから、温かく深みのあるソフトな歌声のナット・コールまで愉しめるお徳用な2枚組。
オリジナルにこだわらない、ライトなナット・コール・ファンに推薦したいベリー・ベストなディスク。
ナット・キング・コール Nat King Cole
1919年3月17日アラバマ州モンゴメリー生まれ。
牧師だった父親の都合で、1921年にシカゴに移り、12歳の時から教会の聖歌隊でオルガンを弾くようになる。兄の影響を受け14歳で初めてのバンドを組み、1936年、アニメーションのエディ・コール率いるセクステット(六重奏団)に参加しプロ・デビュー。
1939年、オスカー・ムーア(g)、ウエズリー・プリンス(b)とともにトリオを結成。42年にリリースした「Straighten Up and Fly Right」でヴォーカリストとして注目を集め、「It's Only a Paper Moon」「Root66」とヒットをとばし、1948年の「Nature Boy」はミリオン・セラーを記録。
1951年にレギュラー・トリオを解散し、ポピュラー歌手に専念。「Mona Lisa」「Pretend」「L.O.V.E」など数多くの曲をヒットさせ、映画にも出演。ショー・ビジネス界の「王様」として君臨した。
1965年2月15日、肺ガンによりカリフォルニア州サンタモニカにて死去。
享年45歳。