soe006 どうみてもDNAです

この日記のようなものは、すべてフィクションです。
登場する人物、団体、裏の組織等はすべて架空のものです。ご了承ください。

どうみてもDNAです

February 18, 2006

さて、ご用とお急ぎでない方は、以下の数を声に出して数えてください。
例えば、1行目は「いちにー、いちにー、いちにーさんしーごー、いちにー、いちにー、いちにーさんしーごーろくしちはち」、そんな感じ。
テンポはお好みで結構です。
では、どうぞ……

2/2/5/2/2/8
2/2/5/2/2/8
6/2/4/8
2/2/5/2/2/8
2/2/5/2/2/8
6/2/4/8

執拗に延々繰り返すことが肝心です。
顎が疲れ舌が渇くまで、何度も何度も繰り返し数えてみてください。

同じ音型を執拗に繰り返すことを、音楽用語でオスティナートと呼ぶそうです。 とにかく何度も何度も繰り返す。理屈じゃないんです。やればわかります。 さ、もう一度、ご一緒に。
「いちにー、いちにー、いちにーさんしーごー」

やってるうちに、つい口を滑らせ、「ごじらー、ごじらー、ごじらとめかごじらー」などと、出鱈目な歌詞をつけて唄っちゃった方もいらっしゃるかも知れません。
さぞかし豪快な方なのでしょう。

さて、現在知られている「ゴジラのテーマ」というのは、1975年の『メカゴジラの逆襲』の際にはじめてゴジラのモチーフとして用いられた曲で、それまでのゴジラ映画では「ゴジラの恐怖」と呼ばれる曲がゴジラのモチーフでした。『キングコング対ゴジラ』(1962)や『モスラ対ゴジラ』(1964)のゴジラ登場シーンに流れていた、重厚で不気味な曲です。これは第1作の『ゴジラ』(1954)のときからずっとそうで、現行「ゴジラのテーマ」と呼ばれている『ゴジラ』のメインタイトル曲は、ゴジラではなく自衛隊(海上保安隊)出動時の音楽だったんですね。それが『メカゴジラの逆襲』以降、「ゴジラのテーマ」として定着。平成シリーズでもゴジラ登場の場面に使われて、すっかりお馴染みの曲となりました。コーダ部の6/2/4/8は、いろんなパターンがあるみたいです。

孔子は怪力乱心を語らず。怪獣映画などという幼稚でくだらぬものは、生まれてこのかた一度も観たことないという聖人君子でも、ゴジラの音楽というと、まず間違いなくこの曲を口にします。日本人100人に訊いて、おそらく98人くらいがこの曲を連想するであろうことが、2006年の調査結果として報告されました。100人中98人ですから、これはもしかしたら、分数のかけ算わり算が出来る人よりも多いかも。
その他、約1名はゴジラの音楽は?と訊かれて、「ゴジラの恐怖」を口ずさみましたが、この人はオタクです。目をあわせないように気をつけてください。残る約1名は、「でっかい口から放射能、今日も戦うぼ〜くらのゴッジッラッ、がんばれがんばれ、ぼ〜くらのゴジラ〜」と唄ったそうですが、単なるウケ狙いなので無視してかまいません。
ついでに……いま家電メーカーのTVCMで使用されている豪快なマーチは、「怪獣大戦争マーチ」とか「宇宙大戦争マーチ」とか呼ばれていますけど、ゴジラ第1作からこのメロディは使われていて、さらに『ゴジラ』の前年(1951)に製作された『源氏物語』でもこの曲を聴くことができます。さらにさらにもっともっと遡り、戦時中に作曲された古典風軍楽「吉志舞」に、この楽曲の源流があるらしいです。

このあたり、だからなんなの?って感じですが、
オタクの独り言ですから、適当に流しちゃってください。
ヘタに目をあわせると咬みつかれます。
(がぉ〜ん!)

完璧余談ですけど……
自衛隊にやけに詳しい一般庶民の約100パーセントは、怪獣特撮オタです。
(がぉ〜ん!)

閑話休題

こんなにしつこく何度も何度も繰り返されると、いやでも身体に染みこんできます。米国黒人にブルースがあるように、また我々日本人にシナ抜きがあるように、DNAかミトコンドリアか知らんけど、ゴジラのオスティナートには細胞内の遺伝子情報を書き換える特殊効果が施されているに違いありません。
(注:シナ抜きは、4度と7度、つまりドレミファソラシドの「ファ」と「シ」を抜いた5音階の旋律。反共・差別・蔑視に非ず……だったら素直にヨナ抜きとかペンタトニックって書けよって言われそうですが、生粋日本人のDNAがそう思いこんでいるのだから、いまさら直しようがない。なんでシナって言っちゃいけないの?)

閑話休題

音楽の執拗な使い回しについては、作曲者ご自身も「映画音楽はどれも同じになっちゃうからなあ」とおっしゃられてましたけど、たぶん意図的なオスティナートだったように思えます。
曲もオスティナート、人生もオスティナート。
素晴らしいですね。

もうこんな(特異な)作曲家は現れないでしょう。
例えば、『ロード・オブ・ザ・リング』とかですね、優れた映画音楽だとは思うんですけど、作曲者の顔がぜんぜん見えない。ジョン・ウイリアムスとかジェームズ・ホーナーとか、あとハンス・ジマー一家ですか、そんな方々は論外としても、現在映画音楽を作曲されている音楽家には、作曲家の個性というものがまったく感じられない。
20世紀前半には、強烈な個性を表現していた作曲家がごまんといたんですけどね。
以前当サイトで、「○○を彷彿とさせる」ってフレーズを連発する音楽評論家を叩いたことありましたけど、そんな常套句でしか褒めることができない音楽ばかりになってしまいました。
Original Soundtrackの「Original」が、妙に白々しく見える、今日この頃。

閑話休題

今度は別の曲を数えてみましょう。
歌詞(てきとーに聞き書き)も付記しておきます。
思う存分、豪快に数えてください。

8/8/4/4
8/8/4/4
2/2/4/2/2/4
8/8/4/4/4/4
4/4/4/4/8

あーしーあなろいあせてーさもあい
あーしーあなろいあせてーさもあい
けーけれてな/けーけれてな
いなばるばらぞのさくぎら/いなばるばらぞのさくぎら
けーけれてな/けーけれてな
しずなー/ばなぞの/おなさーこなた
しずなー/ばなぞの/おなさーこなた
あーしーあなろいあせてーさもあい
あーしーあなろいあせてーおそなた
あーすーるーりつ/あーすーるーりつ
しずなーはりかん/しずなーはりかん
あーすーるーりつ/あーすーるーりつ/がおー/がおー/がおーーー

最期の弁明:
楽譜もないし、音楽の教養もない俺様なので、小節の拍はてきとーです。聴いた感じで素直に書きました。
理屈じゃないんです。どうみてもDNAです。
本当にありがとうございました。

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