soe006 リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

October 6, 2006

久しぶりの再会だったが、どうも弟の顔色がすぐれない。
そわそわして落ち着きがない。話をしていても、ときおりポカーンと上の空になるときがある。
いったいどうしたんだろ、と不審に思っていたら、ついに弟が告白した。

「実は、ここに来る前に、女房を殺してきたんですよ」

兄さん、女ってやつはまったく信用できませんね。
結婚式じゃ嬉し涙を流しながら、永遠の愛を誓い合ったというのに。
それが僕の留守中に、真っ昼間から間男を引っ張り込んでたんですからね。
女なんて下賤な生き物、絶対に信用しちゃイケマセンよ、兄さん。

弟よ、それは違う。
お前は女房を寝盗られて、アタマに血が上ってるからそう短絡的に考えてしまうのだ。少し冷静になれ。
夫を裏切って淫蕩に耽る不心得者はほんの一部、大多数の女は従順で素直、貞淑なものだ。でなきゃ、男たちは安心して外で働けない。家庭を任せられなくなってしまう。世の中のすべての女が嘘つきの裏切り者だったら、社会の仕組みが壊れてしまうじゃないか。
お前は運が悪かったのだ。何千人に一人、何万人に一人の性悪女を妻に娶ってしまった。それだけのことだ。たまたま遭遇してしまった不運で、世の中のすべてがそういうものだと決めつけちゃいかんよ。人間不信は争いの根元だからな。
みんな仲良く、愉しく倖せに。これが私のモットーだ。
いつまでも悩んでないで、今度の失敗を大いなる糧として、次こそちゃんとした女房を娶るんだな。容姿や家柄よりも、性格とか趣味の一致とかを重視すればいいかもだ。

はたしてそうでしょうか。そんなに信用していいものでしょうかね。

弟はニヤリと笑った。
不敵で冷酷非情な、挑戦とも受け取れるニュアンスが口許に認められる、感じの悪い笑いだった。

お前は、なにが言いたいんだ? まさか、俺の女房が隠れて浮気しているとでも……あはは、バカバカしい。なにを言ってるんだ、お前は。私の女房が? まさか、そんなこと……有り得ない。ぜーったいに有り得ない。バカだなぁ、お前は。なにが浮気だ。くだらない。ウチの女房に限ってだな、そのようなことある訳が……そもそもお前はだな、自分がハズレ籤を引いたんで、それが悔しくって、周りのみんなも困らせてやろうって、底意地の悪いことを言ってるだけなんだ。火のないところに煙を立たせて喜んでいるんだ。そういうとこ、子どもの頃からあったよ、お前には。良くないよ、そういう性格。嫌われるよ、みんなに。なにが浮気だ、バカバカしい。

知らぬは亭主ばかりなり、ですか? いいでしょう、それも。
あえてマスオさん的ノンキな旦那を演じ、見て見ぬふりを決め込む。なかにはそのような態度を、寛容とか、男ならではの懐の深さと取ってくれる人もいるかもです。だけどほとんどの男たちは、世界一のマヌケ亭主と蔭で嗤い、蔑むんです。
なんだあいつ、偉そうなツラしてるけど、女房寝盗られてる腑抜け野郎だ。自分の女房一人満足に掌握できてねえ奴に、あれこれ言われたかねえな。
そして女たちは舌を出して嘲笑うんです。ほらね、男なんてチョロいもんでしょうって。
女房にまんまと騙されていたときの僕って、どんなだったか想像できますか。鏡をご覧なさい。いまの兄さんのような顔してましたよ。

貴様、俺に喧嘩を売る気か!
血を分けた兄弟でも、言って良いことと悪いことがあるぞ。

そうじゃないんだ、兄さん。誤解しないでくれ。
僕は、兄さんが世間にマヌケ面を晒しているのが耐えられないんだ。
目を覚ましてくれ、兄さんは騙されているんだ。

まだ言うか! これ以上続けるなら、俺は言葉の代わりに剣を使って話すぞ。

待って。僕にチャンスをくれ。

チャンスだと?

こうしよう。僕たちはこれから狩りに出掛ける。家の者には遠出だから三日は戻らないと伝えておくんだ。
そして僕たちは、今晩こっそり戻って兄さんの寝室に忍び込む。
もし義姉さんが、兄さんの無事を祈って独りでベッドに寝ていたなら、僕はこの首を兄さんに差しだそう。家宝の剣が血で穢れるというのなら、食卓に毒を盛ってもかまわない。僕はすすんでワインを飲み干そう。
だけど、もしそうでなかったなら……

分かった。お前がそこまで言うのなら、不本意ではあるが試してみよう。

ということで……兄弟は従者を率いて、狩りに出た。
そして、その夜のうちにこっそり戻り、寝室に忍び込む。
そこで二人が見たものは……
黒人奴隷たちを相手に、淫靡な快楽に耽るお后の姿であった。

王様は腰の剣をスラリと抜くや否や、妃の頭頂部から胸部へ一直線に振り下ろした。まず頭蓋骨がグシャリと音をたて、切っ先は眉間から胸の谷間へ、深くて鋭い溝をつくった。王様は間髪を置かず、剣を真横にかまえ直し、躊躇なく一気に振り切った。王妃の首が宙を舞い、ゴトンという鈍い音をたてて床に転がった。切断された頸の動脈から鮮血がドッと吹き出し、金糸を織り込んだ豪奢なタペストリーを真紅に染めた。
一瞬の出来事に肝を潰し唖然としていた黒人奴隷たちが、我に返り、狼狽の声を漏らした。一瞥もないまま、王様は剣を真横に払った。妃にペニスをしゃぶらせていた黒人奴隷の脇腹がざっくり裂かれ、臓物が大理石の床にこぼれ落ちた。
咄嗟に逃げようとした奴隷の前に、王様の弟が立ち塞がった。奴隷は腰を抜かし、へなへなと座り込んで失禁した。弟は両手に持った短剣を交差させた。蒼白き光が一閃し、奴隷の左右の頸動脈はザックリ切断され、皮一枚でつながった頭部が背中のほうへだらりとぶら下がった。
もう一人、王妃の身体の下に黒人奴隷がいた。首のない王妃と生殖器を結合させたまま、大きな口をパクパク動かし、声にならぬ声で何かを訴えていた。王様がヌメヌメと血の滴る剣の切っ先を口に入れると、奴隷の唇と瞼はますます大きく開かれた。目には懇願の涙が溢れている。王様は奴隷に顎をはずす隙も与えず、喉の奥深くに剣を突き立てた。

王様は、奴隷たちのペニスを切り取ると、王妃の口の中に突っ込んだ。そして首のない王妃のヴァギナに小刀を突き刺し、ぐいと臍まで切り裂き、黒いペニスで口をいっぱいにした妃の生首を、その裂け目の中に押し込んだ。

女は化粧で素顔を隠し、従順な声で嘘を吐く。貞淑な素振りで夫を裏切り、偽りの笑顔で人を欺く。尼寺へ行け、尼寺へ!

……というセリフの代わりに、王様は、宮殿の女たちを皆殺しにした。
王宮に処女を強制連行し、毎夜同衾させ、夜が明けると彼女たちの首を刎ねた。

王の狂気は治まる気配もなく、領地から若い娘の姿が次々と消えていった。
大臣の娘シェエラザードは一計を案じ、妹のドゥニャザッドとともに自らすすんで王の寝室を訪れる。
果たして、シャリアール王の人間不信は覆されるのか。
王の領地に再び平和は戻ってくるのか。
シェエラザードとその妹の運命は如何に!

毎度、前フリが長くてすみません。
本日は、ストコフスキー・ベスト5の大詰め。第2位の発表。
(前回のチャイコフスキー「交響曲第5番」と同位で並ぶ第2位となります)

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
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リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

レオポルド・ストコフスキー指揮
ロンドン交響楽団
エーリッヒ・グリューエンバーグ(ヴァイオリン) 1

1. リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
2. チャイコフスキー:「スラヴ行進曲」

1964年9月 ステレオ録音(1)、1972年ライヴ録音(2)
Decca/Cala (輸入盤)

1964年9月、英国デッカ・レーベルが開発したマルチトラック方式「フェイズ4」にて録音された、初めてのクラシック作品。
世界初演、米国初演の作品を数多く指揮してきたレオポルド・ストコフスキーは、新しもの好きで有名。いろんな事に初挑戦しています。
まだLP(Long Play Record)もステレオ録音も実用化されていなかった1940年、史上初の9チャンネル立体音響作品『ファンタジア』(ディズニー製作)の音楽を指揮したのが、ストコフスキー(演奏はフィラデルフィア管弦楽団)。
この時代のレコードは、1分間に78回転のSP(Standard Play Record)。演奏収録は7分が限度。当時は映画の光学式サウンドトラックが、もっとも長時間録音できる唯一のメカニックだったわけです。
またレコード録音のための演奏に際し、前列左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、中段に木管、金管を、後段に打楽器群を並ばせるニューヨーク・スタイルのオーケストラ配置を考え出したのもストコフスキー。それまでは演奏会場や曲目によって様々な配置がなされていましたが、このスタイルが録音に最も適しているとのことで、以後、標準の配置として定着しました。それまで多かった両翼配置(第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる)だと、第2ヴァイオリンの反響板が客席(マイクロホン)の向こう側を向いてしまいますから。指向性が曖昧な低域弦楽器を右側に位置する。その代わり中段の金管楽器(トランペットやトロンボーン)が右側に寄っているので、音量バランス的に均整がとれるというわけです。
(そういうわけでこの配置方法は、発明者の名前を冠して、別名ストコフスキー・スタイルとも呼ばれています)
もっとも、マイクロホンを複数立てたマルチマイクのステレオ録音が出来るようになってからは、楽器配置はあまり関係ないようになってしまいましたが。

このようにストコフスキーは、オーケストラ録音のメカニカルな面に興味津々の音楽家だったわけです。
そんなストコフスキーに与えられた美味しそうなエサが、デッカのフェイズ4方式録音。もちろん、ストコフスキーは涎を流して飛びつきました。
で、記念すべき第1回の録音が、絢爛豪華なスペクタクル巨編、極彩色の音楽絵巻、娯楽超大作の「シェエラザード」。

なにしろ第1回ですから、これは作品(商品)であると同時に実験でもあります。
複数のマイクで個々の楽器から単独で音を拾い、マルチトラックのテープに収録、それぞれのトラックをバランス調整してレコード化(商品化)するわけで、ストコフスキーは、自ら考案したニューヨーク・スタイルのオケ配置をいったん白紙に戻してしまったことになります。
1882年4月18日ロンドン生まれですから、録音当時は82歳。その御歳で、この柔軟性とチャレンジ精神です。
とてつもなくどえりゃー爺さんなのであります。

演奏内容について書く前に、一言お断りしておきます。
このデッカ盤は、音がとてつもなく汚い。特に大音量の低域は、バリバリに音が割れています。よくトランペットやトロンボーン奏者が熱演のあまり割れた音を出すことがありますが、それとは異なる、マイク位置があまりにも近すぎたために起きる、あのバリバリです。
もちろん録音技師は、レベルメーターの針がピークを越えているのを見ているだろうし、指揮台のストコ爺さんにも、それは伝えたはず。第1回の実験とはいえ、マイクテストもリハーサルも入念にやってるわけですから、どんな音が録音されるか、誰もが知っていたと思います。
それなのに、なぜこんなにもバリバリなのか?
答えは……迫力があるから。
としか言いようがない。
いったんこのバリバリに慣れてしまうと、どんな名演奏を聴いたって、何か足りない、と感じるようになってしまうんです。意図的にやってるに違いない、と。
このあとの、例えば1965年9月録音のチャイコフスキー「交響曲第5番」や1966年ムソルグスキーの「はげ山の一夜」などでも、ストコフスキーの演奏は盛大にバリバリしてますが、同じデッカのフェイズ4方式でも、他の指揮者による録音にはバリバリがない。アンタル・ドラティ指揮ロイヤル・フィルのオルフ「カルミナ・ブラーナ」などはいたって平板な録音で、多少のバリバリが欲しいくらいです。
やっぱりストコ爺さんは、意図的にやっているとしか考えられないんですね。

実はストコフスキー・ベスト5の連載を始めるにあたって、まず最初に絶対これだけは外せないと思ったのが、今回の「シェエラザード」でした。
最もストコらしい、ストコフスキーの代表作。
じゃなんで1位じゃないの、とか訊かないでください。
それじゃこっちを1位にしましょう、ってことになっちゃいますから。
(ベストテンなんて、そんなもんです)

リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」は、4つの楽章に分かれていて、それぞれに標題が付けられていました(楽譜出版時に作曲者自身がタイトルを外しましたが、慣例で、現在流通しているディスクにはたいてい標題が付けられたままになっています)。

第1楽章 「海とシンバッドの船」
まず猛々しい狂王シャリアールのテーマが、バリバリ吠えます。いきなり、なんじゃこりゃァ! の世界に突入です。この最初のフレーズで、なんじゃこりゃァ! とこなかった人はステレオの音量が不足しています。ボリュームをグイッとあげてください。
少し間があって、か細い音のヴァイオリンが、切なく悲しげな、エキゾチックでちょっぴり艶めかしいメロディを奏でます。これがシェエラザードのテーマ。

王様の寝室を訪れた才媛シェエラザードは、王の枕元で摩訶不思議なストーリーを語り始めます。まず最初は、船乗りシンバッドの冒険譚。
ゆるやかに上昇し、ゆるやかに下降するコントラバスに、チェロの分散和音が重ねられ、目の前に紺碧の大海原がパノラマ的に展開します。映画音楽(特にNHKの大河ドラマ)などで頻繁に用いられる手法で、ジョン・バリーはこれだけで90年代をなんとか生き延びました。
第1楽章の演奏時間は約10分。大半はこの海の描写で費やされます。コルサコフは管弦楽法の教則本を出しているくらい楽器の機能や音色に精通した作曲家で、オーケストラの錬金術師とも呼ばれていましたから、この大海原の描写にいろいろな楽器を絡ませています。途中でシェエラザードのヴァイオリンも少し出てきますが、単調な流れに退屈することもしばしば。下手な演奏盤に当たったら、詰まんねえ曲だなあ、と欠伸が出てしまうところ。
しかしストコフスキーに限って退屈なんてありません。大波小波、起伏に富んだ展開でアッという間にコーダへ突入。
荒れた海が次第に穏やかになって、曲は平穏な雰囲気を醸しながら終わります。シャリアール王はお話に耳を傾けながら、いつの間にか眠ってしまったのでしょう。
シェエラザードの首は、ひとまず無事です。良かった良かった。

ちなみに浅学非才な身でたいへんおこがましいのですが……
アラビアンナイト、すなわち「千夜一夜物語」は約170編から成る説話文学の古典で、だいたい10世紀から13世紀、約300年にわたって複数の人間により書き継がれたと言われています。この170編の他に約90編ほどの補遺譚(つまり後年追加された外伝的物語)があって、有名な「船乗りシンバッドの冒険」や「アラジンと魔法のランプ」、「アリババと40人の盗賊」などのお話は補遺譚に含まれています。

第2楽章 「カレンダール王子の物語」
今宵もシェエラザードの寝物語は続きます。
第2楽章の始まりはシェエラザードのテーマから。続いて王子のテーマがファゴットで演奏され、修行僧(カレンダール)に化けた王子の冒険譚がスタート。
この楽章は緩急強弱、自由自在。途中で豪快なシャリアール王のテーマが飛び込んできたり、波瀾万丈。カレンダール王子の物語と、物語を続けるシェエラザードと、それにレスポンスするシャリアール王とが三つ巴になって、あれよあれよと言う間にクライマックスを形成。郷愁のメロディが静かに奏でられ、いったん物語の終わりと思わせておいて、曲は再び勢いを取り戻し、緊張が最高潮に達したところで、シンバル一発! 鮮やかにフィニッシュ。
こんなことやられては、シャリアール王ならずとも続きを聴きたくて聴きたくて辛抱たまらん。もしシェエラザードが現代の日本にいたなら、間違いなく売れっ子の連ドラ作家になっていたことでしょう。

第3楽章 「若い王子と若い王妃」
第3楽章は若い王子と王妃のラブストーリー。曲は穏やかでロマンチックな愛のテーマからいきなりスタート。もうこの頃になるとシャリアール王もすっかりシェエラザードの策にハマってしまっている、ってところでしょうか。

ところで、シェエラザードは初めて王宮を訪ねてから物語が終わる千一夜(2年9ヶ月)の間に、シャリアール王の子どもを3人産み落としています。
リアリズムで考えると、妊娠に次ぐ妊娠、出産に次ぐ出産でたいへんご苦労様なのですが……そこはそれ、昔のアラブ女性は身体が丈夫だったんだろうな、ってことにしておきましょう。なんてったって「アラビアンナイト」は、ファンタジーなのですから。
それよりも重要なのは、シェエラザードは物語を語っていただけでなく、肉体的にも王様の寵愛を受けていたってことですね。

第3楽章は、終始穏やかな曲調で流れていきます。中盤にスネア、トライアングル、タンバリンがリズムを刻むトルコ風の舞曲があって、王子と王妃の愛のテーマが再現されたあと、シェエラザードのテーマが、(ここが聞きものですぞ!)協奏曲のカデンツァ風にヴァイオリン独奏で演奏されます。寂しさも感じさせるもの悲しいメロディですが、実に艶っぽいんですね、これが! セックスの悦びを知った女の色気が、むんむん匂ってきます。
ここんとこ、とても重要です。
シェエラザードは才色兼備、夜ごと王様の興味と関心を煽りつつフィクションを語るくらいアタマも良いけど、それだけじゃないところもあるわけです。演奏によっては智が勝って艶が感じられないシェエラザードもありまして……理知的な面だけが突出してしまった「シェエラザード」は、超個人的に聴くに堪えません。悦びでヒクヒク痙攣しているように聞こえればオッケです(……どこが?)。
「シェエラザード」のヴァイオリン・ソロは、普通は楽団のコンサートマスターが演奏します。ストコ盤では、ロンドン交響楽団のエリック・グリューエンバーグが担当。

さて、第3楽章は穏やかな雰囲気のまま終わるのですが、続く第4楽章はすこぶるドラマチック。特に私は、この第4楽章に独自のストーリーを裏打ちしながら聴くので、ここから先はますます超個人的な感想となります。
狂人の戯言と笑って読み飛ばしてください。
(……ってか、この長文まだ読んでくれている人、いるのかなあ?)

第4楽章 「バグダッドの祭、海、船は青銅の騎士のある岩で難破、終曲」
強烈なシャリアール王の咆吼で第4楽章は始まります。
第3楽章で静かに耳を傾けていた王様が、再び吠えたのです。
「もっと聞かせろ、もっともっと面白い話をするんだ、さあ早く」
しかし毎夜毎夜、3年近く語り続けていたシェエラザードも、ついにネタ切れです。自分が殺されなかったのは、王様の興味を惹く物語を毎夜語っていたから。語るストーリーが無くなったとき、私の存在価値は無くなる。王様は(これまで寝室に入れた娘たちにそうしてきたように)、私の首を刎ねるに違いない。シェエラザードは、残りのネタを小出しにして場を取り繕うとします。
王様は高圧的な迫力ある声で、シェエラザードを急かします。
「もっと、もっともっと、面白い話を聞かせろ、さあ、さあさあ、さあさあさあさあ」
「分かりました、今夜もお話しを始めましょう」
このときシェエラザードは覚悟を決めています。
これが最期の夜になると。

シェエラザードは早口で喋り始めます。語るのは賑やかなバグダッドの祭の情景。しかしストーリーは……これまで話してきた物語の二番煎じ。カレンダール王子や、若い王子と王妃の物語。それぞれの物語の断片を寄せ集め、繰り返し繰り返し、同じストーリーであることが王様にばれないよう早口で、捲し立てるように喋ります……が、それも遂にネタが尽きてしまい……最初の夜に語った、あのシンバッドの話の続きを話し始めます。シンバッドの乗った船は嵐に遭い、青銅の騎士のある岩で難破。

千一夜続いたシェエラザードのお話は終わりました。
シェエラザードは、すべてをシャリアール王の決断に託して身を任せます。
はたして王様は、シェエラザードに如何なる処置をとるのでしょうか?

長くなったので本日はこれでおしまい。
結末を知りたい方は、書店で「千夜一夜物語」をお求めになるか、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」をお聴きくださいです。

本日も、最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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