soe006 アテネ五輪開催期間中は更新停止

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アテネ五輪開催期間中は更新停止

August 13, 2004

みなさんご存じとは思いますが、明日の未明よりギリシャのアテネって街で、オリンピックの開会式が挙行されます。
普段、スポーツ中継番組はほとんど見ないのですが、オリンピックだけはなぜかしら注目してしまいます。子供の頃に観た市川崑監修『東京オリンピック』の影響かも知れません。

敵ですからね、スポーツ中継は。

テレビ番組は、おおむね5つのカテゴリーに区分されます
報道・情報系(ニュースや地域の話題など。「ひるどき日本列島」とか)
教育・教養系(主にNHKの教育テレビで放送しているような番組。「おかあさんといっしょ」とか「日曜美術館」とか。<橋本くん、がんがれ!)
この2つはNHKの専売特許みたいなもので、民放は太刀打ちできません。
全国の県庁所在地に放送局を持っている機動性、信用のブランド、実績(誤報の少なさ=ガセネタは流さない)で圧倒的に優位。
教育・教養系は、(視聴率を度外視して番組制作できるので)完全に独占市場になっております。

娯楽・バラエティ系(タレントが生活費を稼ぐためにゲームしたりクイズやったり、仲間内でしか通用しない無駄話をしている番組。素人がテレビに出たいという目的で恥をさらしたりしている番組……らしい。俺は見ないのでよく分かりません)
これはもう品性とか羞恥心とか(ヘンなプライドとか)持ち合わせていない民放の圧倒的勝利。
でも、「爆笑オンエアバトル」とか「のど自慢」とか「紅白歌合戦」などの視聴率を見ると、やっぱりNHK強しの印象もあるんですね。
落語や講談の「日本の話芸」やお芝居の中継録画も放送する「芸術劇場」が娯楽系ではなくて、教育・教養系になっていたりするのが、どうもヘンな感じのNHKです。

ドラマ系(テレビ誕生前は「放送劇」と呼んでいました。その名残はいまでも残っていて、画面を見ないで音声だけ聞いていても、だいたいの流れは分かるように作ってあります)
映画が映像によってストーリーを語るのに対し、テレビドラマは台詞でストーリーを語ります。テレビドラマ社会で、台詞が巧いっていうのは、分かりやすいって意味であります。
だって飯食ったり掃除したり洗濯したり、生活のなかで見るものでしょ、テレビって。画面に集中なんかできません。視界には時計やタンスやテーブルが入ってくるし、途中で電話も掛かってくる。お隣りさんが回覧板持ってきたり町会費の集金にやってきたりするんですよ。
強引に日常と切り離して見せる映画とは別物です。
ドラマっていうのは架空のものですから、1から10まで、作り込まなきゃならない。銭と手間が掛かります(そして僅かばかりの知恵も)。
そこが作り手側の腕の見せ処なんですけどね。
脚本家予備軍の方は、テレビドラマの最初の3分間に注目してください。視聴者を掴むためにいろんな工夫がなされています。
小池一夫風にいえば、早い話が、ファーストシーンで全裸の女性が町を走っている……みなさん「お、なんだなんだ」と画面に釘付けってわけです。(この場合、振り乱せるくらいの巨乳で若い女性だと効果的)
北川悦吏子は、これを『ロング・バケーション』のファーストシーン(白無垢姿の花嫁が町を走っている)でやった。更に内舘牧子さんはこれを『私の青空』でパクった。(話題が脱線してる?)
とにかく番組の作り手側が、視聴者の関心を惹くためになにからなにまで計算尽くで用意しておかなきゃいけないのがドラマ番組なわけです。 この対局にあるのが……

スポーツの実況中継。
スポーツはよく筋書きのないドラマなんて言われたりしますけど、面白いかつまらないか、最後まで見ないと分からない。
その点、最初の5分で出来不出来が分かってしまうドラマ番組は不利です。 またまた余談ですけど……近年、プロ野球や大相撲の視聴率が落ちてきているのは、番組演出が過剰だからじゃないのかな。
人気タレントの的はずれなコメント入れたり、CG使って画面をごちゃごちゃイジったりとか、余計な演出が多すぎるような気がします。
ドラマ番組の対局にあるのがスポーツ中継。ならば、その商品の差別化こそがセールスポイントなわけで、番組を作り込んじゃ駄目でしょう。
(ときには試合自体を作り込んじゃう場合もあるけど……それでプロレス番組は衰退しちゃったんだよね)
特定のチーム(オリンピックだったら日本チーム、大相撲だったら優勝候補の力士)に偏った実況アナウンスも、うんざりさせられますね。
そのチーム(または選手)への応援を強制させられているような、洗脳されているような、イヤ〜ンな気分になります。

テレビというメディアの最大のウリは即時性にあります。
その点でもドラマ番組は不利です。
その日その時、テレビの前に座って必ず見なきゃいけないってタイプの番組じゃないですからね、ドラマなんて。
とりあえず録画しといて、評判がよかったら、暇なときに見る。
まぁ、近い未来か遠い将来、いずれドラマ番組は他のメディアに代替となって、放送されなくなってしまうんじゃないでしょうか。

とはいえ、現状、スポーツ実況はドラマ制作サイドの人間にとっては敵ですから、普段は見ない。閑古鳥が鳴いているうどん屋で、隣のカレー屋に行列ができてるのは不愉快ですからね。
でも、オリンピックだけは見ちゃうんだなぁ。
特に開会式は絶対に見る。

やっぱりこのような盛大な催しができるってのは、それをお茶の間のテレビでのんびりと愉しめるってのは、世界が平和だからこそ(俺を取り巻く世界、ってことに限定されてるけど)。延々と続く入場行進、世界各国から集まってきた選手団を見てると心が和みます。
その背景には、平和を維持するために命懸けで戦っている人々や、大会を運営するために阿漕(アコギ)なビジネスをやってる人々、試合の勝敗に大金(や小銭)を賭けて目ン玉ギラつかせているヤクザも大勢いるんですが。

スポーツ中継には演出はいらないって書きましたけど、オリンピック開会式のセレモニーは、毎回たのしみにしています。
これ、ほんとお金掛かってるし、ショウの構成・演出はとても勉強になります。ミュージカルの舞台演出とかやってる人は必見です。
1996年アトランタ大会の聖火台にモハメッド・アリが登場したときには、マジで身体が震えちゃったもの。

ということで、
「soe006」はオリンピック期間中、引き続き更新休止となります。

第28回オリンピック競技大会公式サイト:http://www.athens2004.com/

ところで……ビジネス・クラスでアテネに乗り込んだ日本男子サッカーチームは初戦を負けちゃって、エコノミー・クラスでしか行けなかった(貧乏な)女子チームは初陣を強豪スウェーデン相手に白星で飾っちゃったのは、清々しくて良かったですね。
「なにがなでしこだ、あいつら山牛蒡だ」……なんて言ってた奴(<俺)も反省しましたですよ。
勝利が決まった直後の笑顔は、美しかった。
勝てば官軍ですからね(ちょっと意味が違うか?)。

なでしこ>>>>>>>>>>>>山牛蒡

前回のシドニー大会でも、あまり注目されていなかったソフトボール・チームがあれよあれよと決勝戦に進出していったのも良かったし、マスコミが完全ノーマークだったテコンドーの岡本依子が銀メダルをとったのも、そのあと後追い取材していた記者たちの(みっともない)姿も愉快でありました。

オリンピック関連のウェブサイトは山ほどできてますが、全28競技の簡単なルールや今大会の展望を掲載したこちらが、オーソドックスながら競技観戦のよい参考になると思います。
SportsClick オリンピック完全観戦ガイド 全28競技展望&競技解説

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