soe006 漢字は加速度的に減少傾向

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漢字は加速度的に減少傾向

March 7, 2006

さる偉い先生の研究によりますと……
20世紀に入ってから、日本語に用いられている漢字は、加速度的に減少傾向にあるとのことです。
明治政府ができるまで、公文書はすべて漢文でしたからね。
そこに書き言葉と話し言葉を一致させようってことで、カナ混じり文が正式に採用され、外来語も加えられたりしつつ、現在に至るわけで、100年前と比較すること自体が無茶だと思うのですが、この研究結果がSFみたいでちょいと面白いんですよ。
で、さっそく結論ですが……この傾向がずっと続きますと、な、なんと、西暦2190年ごろには、日本語から漢字が完全消滅してしまうらしい。
まあ、ゆとり教育とか言って文部省が漢字を故意に減らしたりもしていますし、あながち空想とばかりも言ってられない。

西暦2190年……ざっと、200年後ですね。

その頃には、私もあなたも、おそらくあなたの子どもやお孫さんさえも、この世には存在しない……でも、200年後っていったら、23世紀ですからね。医療技術やサイボーグ技術が発達進化して、もしかしたら、生きているかも知れません。
しかし延命技術が開発されたとしても、貧乏人には無縁でしょうし、まして人口爆発が真剣に懸念されている昨今、日本人だけが異様に長生きしていると……
「ニポンジンだけ狡いあるよ、その技術、わが国にもちょうだいのことあるよ。我々だって長生きしたいあるよ。教えてくれなきゃ、日の丸燃やすことあるよ。社会科の教科書、出版できなくさせてやることあるよ」なんて、巨大国家から羨まれ、またまた逆恨みされるのは必定。だからって技術供与で巨大国家の数十億人が揃って長生きしたら、世界は崩壊しちゃいます。
よって、技術が完成しても実用化は無理。完成しても公表しない。
偉くてお金持ちの人だけが、こっそり長生きする。
まぁ、そんな遠い未来のことはどうでもよろしい。日本語どころか、国土自体が日本海溝の底に沈没しちゃっても、俺様の知ったことじゃない。いや、それはそれで悲しいけれど、知ったからといってどうしてやることもできません。

なにを言うか、我こそは平成の大文豪であるぞ。我輩の書いたものが100年、200年で滅びることなぞありはせぬ。1000年、2000年、未来永劫に読み継がれる名著であるぞ。しかるに漢字がなくなるとは何事かっ! 我輩の名作を読める日本人が、いなくなるということではないか。いやまてよ、ならばこれからは一切漢字を使わずに作品を発表すればよいのではないか? そうだそうだ、さすれば日本語から漢字が消え失せた200年後も500年後も、いやさ 1000年後も、我輩の名作は不滅。安泰でござる。なぁんだ、そんなことか。全部かなで書いておけばよいのだ。簡単ではないか。わはわは、わははははは……

いやいや、大先生、かような心配は無用にござる。
大昔に書かれたコーランや仏典、聖書だって現代語に訳されて、いまでも読み継がれているし、気に病むことはありません。
そのときがきたら、そのときのスタイルで、残るものは残るし、廃れるものは廃れてゆく。それが世の常であります。

実はですね……日本語の乱れの原因は、現代の商業主義に毒されたマスメディアにあって、それらに携わっているコピーライターや記者、脚本家、劇作家、放送作家などの商用文筆業者は、もっともっと(おのれの扱う日本語の将来について)自覚的であるべきだ、みたいなことを真面目に書こうと思っていたのですが……やっぱ、真面目なのは疲れるし、俺様のガラではない。
なによりも……

もう完全に厭きちゃったので、
日本語の話題はこれにて終了いたします。

ご拝読いただき、ありがとうございました。
(↑間違った謙譲語のみほん)

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