はじめてのクラシック(シブオヤジ編)

クラシック 名曲名盤ベスト3

はじめてのクラシック(シブオヤジ編)

これからクラシック音楽を聴いてみようという方へ、入門ガイド的ディスクを紹介します。ここに並べた10枚のCDは、発売以来トップセラーを続けている超名盤ばかりです。

今回は室内楽曲・器楽曲からのご紹介です。
タイトルに「オヤジ」って入ってますけど、オバサンでも、おねえさんでも、お嬢さんでも、お爺ちゃんお婆ちゃんでもかまいません。
誰もが一度は聴いたことのある超有名曲を厳選しました。

それに「シブイ」ってありますけど、ぜんぜん渋くない、明るく爽やかな曲も並べております。でも看板に「偽りあり!」って怒られそうだから、極めつけの渋い名曲からご紹介しますね。

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)
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バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

ヨーヨー・マ(チェロ)

1. 無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007
2. 無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV1008
3. 無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009
4. 無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010
5. 無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV1011
6. 無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012

1994-1997年 デジタル録音
Sony Classical

1棹のチェロからほとばしり出る豊潤な音世界。このバッハの名曲を現代に甦らせたパブロ・カザルスに敬意を表して、彼のEMI盤を最初に推薦したいところですが、なにしろ1930年代のモノラル録音ですので、はじめての方には薦めにくい。……なので、ヨーヨー・マの新しいデジタル録音盤を挙げておきます。
テレビCMなどでよく耳にするのは第1番のプレリュード。映画『おくりびと』(2008年)で本木雅弘も弾いていました。
CD2枚組で演奏時間も2時間を超えますけど、ぜひ全曲通して聴いてください。ハマるとなかなか抜け出せないディープな名曲です。

ハイドン:弦楽四重奏曲集
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ハイドン:弦楽四重奏曲集

イタリア弦楽四重奏団

1. 弦楽四重奏曲第63番ニ長調op.64-5「ひばり」
2. 弦楽四重奏曲第17番へ長調op.3-5「セレナード」
3. 弦楽四重奏曲第76番ニ短調op.76-2「五度」
4. 弦楽四重奏曲第77番ハ長調op.76-3「皇帝」

1965年7月、1976年1月 ステレオ録音
Philips

交響曲の父であり弦楽四重奏曲の父でもあるフランツ・ヨーゼフ・ハイドン。交響曲は番号のついているものだけでも104曲(他にも数曲あるらしい)。弦楽四重奏曲は作曲者のオリジナルと認定されているものだけで68曲もあります。
私事で恐縮ですが……ハイドンは長いあいだ接触が難しい作曲家でした。膨大な作品数を前に、どれから聴いたらいいのか、さっぱり見当がつかなくて。
救いの手を差しのべてくれたのが、4つの弦楽四重奏曲を1枚に詰め込んだこちらのイタリアSQ盤。なんとまあ、爽やかで美しいカンタービレな楽曲ばかりではありませんか! ハイドンを聴くならまずこの1枚から! ハイドンにまだ触れたことのない方に絶対のオススメ。

モーツァルト:クラリネット五重奏曲
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モーツァルト:クラリネット五重奏曲

アルフレート・プリンツ(クラリネット)
ウィーン室内合奏団

1. クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
2. セレナード第13番ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

1979年 デジタル録音
Denon

ふくよかでしっとりとしたクラリネットの音色を満喫できるモーツァルトの名曲。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者たちによる味わい深い演奏。デジタル録音の音質も極上です。

ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番&第9番
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ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番&第9番

ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)
レフ・オボーリン(ピアノ)

1. VNソナタ第5番 ヘ長調op.24「春」
2. VNソナタ第9番 イ長調op.47「クロイツェル」

1962年 ステレオ録音 Philips

ベートーヴェンの人気ヴァイオリンソナタをカップリングした定番名盤。オイストラフのヴァイオリンは恰幅が良すぎて、「春」の軽やかさが少々乏しい感じもしますが、「クロイツェル」に関しては文句なしの出来。これもハマるとなかなか抜けられない演奏です。
ちなみに第5番「春」の私の愛聴盤は、グリュミオー&ハスキルの1957年録音盤(Philips)。モノラル録音ですがノイズも歪みもなく、とても気持ちの良い演奏です。残念ながら国内盤は廃盤・品切れ(海外輸入盤なら廉価盤のソナタ全集が容易に入手可能)。
名盤ベスト3 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
名盤ベスト3 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」

シューベルト:ピアノ五重奏曲/弦楽四重奏曲第14番
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シューベルト:ピアノ五重奏曲/弦楽四重奏曲第14番

アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)(1)
クリーヴランド弦楽四重奏団(1)
イタリア弦楽四重奏団(2)

1. ピアノ五重奏曲イ長調 D.667(op.114)「ます」
2. 弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810「死と乙女」

1977年(1)、1979年(2) ステレオ録音 Philips

シューベルトは歌曲王。三大歌曲集と呼ばれているのは「美しき水車小屋の娘」「白鳥の歌」「冬の旅」ですが、それらの他におびただしい数の歌曲を書いています。ピアノ五重奏曲「ます」も、弦楽四重奏曲「死と乙女」も、それぞれ標題となっている歌曲のメロディを用いた室内楽曲。明るく健康的な「ます」と4つの楽章がすべて短調で書かれている「死と乙女」。シューベルトの明と暗、両方の魅力が味わえます。

シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ
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シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ

ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)

1. トッカータ 作品7
2. 子供の情景 作品15
3. クライスレリアーナ 作品16
4. アラベスク ハ長調 作品18
5. 花の曲 変ニ長調 作品19

1962年、1966年、1968年、1969年 ステレオ録音
CBS Columbia

シューマンの代表的ピアノ曲を、ホロヴィッツの滋味ある名人芸で。
誰もが一度ならず耳にし、郷愁をかきたてられる「トロイメライ」は、「子供の情景」の第7曲目です。

ブラームス:弦楽六重奏曲 第1番&第2番
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ブラームス:弦楽六重奏曲 第1番&第2番

アマデウス弦楽四重奏団
セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)
ウィリアム・プリース(チェロ)

1. 弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調作品18
2. 弦楽六重奏曲第2番 ト長調作品36

1966年12月(1) 1968年3月(2) ステレオ録音
Deutsche Grammophon

ジャンヌ・モローが情熱的な人妻を演じたルイ・マル監督の映画『恋人たち』(1966年)に使用されていたのが、ブラームスの弦楽六重奏曲第1番 第2楽章。感情にダイレクトに訴えかけてくる弦楽の響きに、音楽好きなら誰もが一度は心酔してしまう名曲です。比較的ゆったりめのテンポでメラメラ燃える演奏もありますが、アマデウス弦楽四重奏団の演奏はかなり性急的で激しく、狂おしい感じになっています。
ブラームス27歳の作品。

チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出のために」
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チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出のために」

ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)
リン・ハレル(チェロ)

1980年 ステレオ録音 EMI

三大バレエ、交響曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲……メロディアスな名曲を数多く作曲して人気の高いチャイコフスキーは、室内楽の分野でも傑作を残しています。第2楽章が「アンダンテ・カンタービレ」の名称で単独演奏されることも多い弦楽四重奏曲第1番も良いのですが、今回採りあげるのはチャイコフスキーが敬愛していたピアニスト、ニコライ・ルービンシュタインの死を悼んで作曲したピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出のために」。
全体は第1楽章と第2楽章のふたつから構成されていて、約45分の演奏が全編カンタービレの洪水。感傷的なメロディがこれでもかってくらいに続きます。特に第2楽章の変奏部は圧巻。チャイコフスキーの代表作というと三大バレエや後期交響曲、ピアノとヴァイオリンの協奏曲が真っ先に採りあげられ、室内楽曲は後回しみたいな感じですが、はじめての人にも大丈夫なチャイコフスキーの傑作です。

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲「アメリカ」
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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲「アメリカ」

ヤナーチェク四重奏団(1)
ボロディン四重奏団(2.3)

1. ドヴォルザーク:
  弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 作品96「アメリカ」
2. ボロディン:
  弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調
3. ショスタコーヴィチ:
  弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 作品110

1963年(1) 1962年(2.3) ステレオ録音
Decca

ドヴォルザークの第12番「アメリカ」は前にも採りあげましたが、今回はボロディンの第2番、ショスタコーヴィチの第8番とカップリングされたデッカ盤です。3曲ともに名演と定評のある演奏で、録音がとても良い。デッカ録音らしいガッツのある音質です。
ボロディンの第2番第3楽章は、メロディが実に美しく、「ボロディンのノットルノ(夜想曲)」として単独演奏されたりもします。近代から現代までの、代表的な弦楽四重奏曲をイッキに聴きたい方にオススメです。

ドビュッシー:ピアノ作品集
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ドビュッシー:ピアノ作品集

モニク・アース(ピアノ)

ディスク:1
1. ベルガマスク組曲
2. ピアノのために
3. 夢
4. 夜想曲
5. ロマンティックなワルツ
6. 映像第1集
7. 映像第2集

ディスク:2
1. 2つのアラベスク
2. レントより遅く
3. 喜びの島
4. 前奏曲集第1巻より 亜麻色の髪の乙女
5. 前奏曲集第1巻より 沈める寺
6. 前奏曲集第1巻より ミンストレル
7. 前奏曲集第2巻より 水の精
8. 前奏曲集第2巻より 花火
9. 版画
10.組曲「子供の領分」

1970年12月-1971年4月 ステレオ録音 Erato

近代フランス音楽の旗手クロード・ドビュッシーのピアノ作品集。演奏は生粋のパリジェンヌ、モニク・アース。
しっとりとした情感が素晴らしい「月の光」はベルガマスク組曲の3曲目、コミカルな「ゴリウォーグのケークウォーク」は組曲「子供の領分」の6曲目。ドビュッシーのピアノ曲はすべて網羅されている2枚組全集。1972年度フランスADFディスク大賞を受賞している名盤です。

クライスラー:ヴァイオリン作品集
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クライスラー:ヴァイオリン作品集

イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)
サミュエル・サンダース(ピアノ)

1. ウィーン奇想曲
2. ジプシーの女
3. スラヴ舞曲 第3番 ト長調
4. 美しきロスマリン
5. 愛の喜び
6. スペイン舞曲 (歌劇≪はかなき人生≫より)
7. 愛の悲しみ
8. ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
9. 中国の太鼓
10. 踊る人形
11. ロンドンデリー・エア
12. 無言歌 作品62-1 ≪5月のそよ風≫
13. クープランのスタイルによる才たけた貴婦人
14. フラスキータのセレナード
15. アンダンテ・カンタービレ
16. ハンガリア舞曲 ヘ短調
17. カプリース 第20番
18. 岸辺のモリー
19. 悪魔のトリル

1975-1978年 ステレオ録音 EMI

ヴァイオリンの名手だったフリッツ・クライスラー(1875-1962年)の作品を中心に、アンコールによく用いられるヴァイオリン小曲をたっぷりまとめた作品集。演奏は美音のテクニシャン、イツァーク・パールマンですから非の打ちどころなどありません。
テレビなどから頻繁に聞こえてくる「美しきロスマリン」「愛の喜び」「愛の悲しみ」、チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」、イギリス民謡「ロンドン・デリーの歌(ダニー・ボーイ)」からタルティーニの超絶技巧曲「悪魔のトリル」まで、どなたも一度は耳にしたことのあるポピュラー名曲が揃っています。

最後にクライスラーのヴァイオリン小品集が出たところで、開き直って次回は、俗っぽくて何が悪い、誰もが一度は聴いたことのある通俗名曲オンパレード編をお送りする予定です。

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ハイドン:弦楽四重奏曲 イタリア四重奏団
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ハイドン:弦楽四重奏曲

イタリア弦楽四重奏団

1. 弦楽四重奏曲第63番「ひばり」
2. 弦楽四重奏曲第17番「セレナード」
3. 弦楽四重奏曲第76番「五度」
4. 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」

1965年/1976年 ステレオ録音 Philips

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作曲家 索引 COMPOSER INDEX
アントニオ・ヴィヴァルディ
カール・マリア・フォン・ウェーバー
ジュゼッペ・ヴェルディ
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ
フーゴー・ヴォルフ
アンリ・ヴュータン
エドワード・エルガー
ジャック・オッフェンバック
カール・オルフ
ジョージ・ガーシュウィン
エドヴァルド・グリーグ
アーロン・コープランド
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
エリック・サティ
パブロ・デ・サラサーテ
カミーユ・サン=サーンス
アルノルト・シェーンベルク
ジャン・シベリウス
フランツ・シューベルト
ロベルト・シューマン
ヨハン・シュトラウス
リヒャルト・シュトラウス
エルネスト・ショーソン
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
フレデリック・ショパン
アレクサンドル・スクリャービン
イーゴリ・ストラヴィンスキー
ベドルジハ・スメタナ
ピョートル・チャイコフスキー
フレデリック・ディーリアス
アントニン・ドヴォルザーク
クロード・ドビュッシー
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
ニコロ・パガニーニ
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
アラム・ハチャトゥリアン
バルトーク・ベーラ
レナード・バーンスタイン
ジョルジュ・ビゼー
マヌエル・デ・ファリャ
ガブリエル・ユルバン・フォーレ
ジャコモ・プッチーニ
ヨハネス・ブラームス
セザール・フランク
ベンジャミン・ブリテン
アントン・ブルックナー
マックス・ブルッフ
セルゲイ・プロコフィエフ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
アルバン・ベルク
エクトル・ベルリオーズ
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
ルイジ・ボッケリーニ
グスターヴ・ホルスト
アレクサンドル・ボロディン
グスタフ・マーラー
モデスト・ムソルグスキー
フェリックス・メンデルスゾーン
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
レオシュ・ヤナーチェク
モーリス・ラヴェル
セルゲイ・ラフマニノフ
エドゥアール・ラロ
フランツ・リスト
ニコライ・リムスキー=コルサコフ
オットリーノ・レスピーギ
ホアキン・ロドリーゴ
ジョアキーノ・ロッシーニ
リヒャルト・ワーグナー
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こまくら テレビCMで聴いたクラシック
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