ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 「大公」 作品97
ベートーヴェンが作曲したピアノ三重奏曲のなかで、もっとも人気があり、演奏機会も多い作品。ルドルフ大公に献呈されたことから、「大公」のニックネームが付けられていますが、その名にふさわしい雄大な風格と高貴な品位が感じられる楽曲です。
三つの楽器(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ)の特性が十全に活かされ、室内楽曲でありながら協奏曲的なスケールと色彩があり、美しい旋律と豊かな和声が堪能できる作品です。
自筆の草稿には、1811年3月26日完成と記されています。「交響曲第5番 運命」&「交響曲第6番 田園」(1808年初演)と「交響曲第7番」(1813年初演)の間で、ベートーヴェン円熟期の傑作。
初演:
1814年4月11日 ウィーンのホテル「ローマ皇帝」にて
ベートーヴェンのピアノ、シュパンチのヴァイオリン、リンケのチェロ
1802年10月6日、ベートーヴェンは次第に悪化してゆく難聴とその苦悩の様子を、甥のカールと弟のヨハンに宛てて手紙を書いています(ハイリゲンシュタットの遺書)。
聴力の劣化によりピアニストとしての活動を断念したベートーヴェン。「ピアノ三重奏曲」の公開音楽会が、ステージでの最後のピアノ演奏となりました。
楽器編成:ピアノ、ヴァイオリン、チェロ
楽曲構成:
第1楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章 スケルツォ アレグロ 変ロ長調 4分の3拍子
第3楽章 アンダンテ・カンタービレ・マ・ペロ・コン・モート ニ長調 4分の3拍子 主題と4つの変奏
第4楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調 4分の2拍子 ロンド形式
演奏時間:約40分
ベートーヴェン&シューベルト:ピアノ三重奏曲
ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)
ベートーヴェン: 1958年 ステレオ録音 EMI |
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲&チェロ・ソナタ
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
1. ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調op.97「大公」
1970年4月(1) 1965年2月(2,3) ステレオ録音 |
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」
ヤン・パネンカ(ピアノ) 1975年6月 デジタル録音 Denon |