名曲名盤ベスト3 メンデルスゾーン:交響曲第3番 「スコットランド」

クラシック 名曲名盤ベスト3

交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」 作品56

フェリックス・メンデルスゾーン

幻想味豊かで詩的な旋律の美しさ、暗い哀調をおびた第一楽章の冒頭が人気の交響曲。第2楽章の主題は、エディンバラ地方のバグパイプによって演奏される民謡の節が参考にされている。
第4番「イタリア」、第5番「宗教改革」は作曲者の死後に楽譜出版されたため作品番号は前後するが、この第3番「スコットランド」がメンデルスゾーン最後の交響曲となる。

スコットランド王家の世継ぎとして生を受けながら動乱の時代に運命を弄ばれ、祖国を追われ、亡命先のイングランドで斬首されたメアリ・スチュアート女王の生涯に、メンデルスゾーンは関心を寄せていた。
1829年(20歳のとき)メンデルスゾーンは、スコットランド王女時代にメアリが居城としていたエディンバラ郊外のホーリルード城を訪れ、「あたりは朽ち果てていた。破れた屋根の間から空がのぞいていた。わたしはこの荒れ果てた礼拝堂の中で、「スコットランド交響曲」の冒頭の部分を思いついた」と、述べている。

作曲年代:ホーリルード城を訪れた1829年に着想されたが、完成したのはその13年後の1842年。メアリの九代目の子孫にあたる、イギリスのヴィクトリア女王に献呈された

初演:1942年3月3日 ライプツィヒのゲヴァントハウス演奏会にて 指揮は作曲者自身

楽器編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、ティンパニ、弦5部

楽曲構成:
第1楽章 アンダンテ・コン・モート−アレグロ・ウン・ポーコ・アジタート
イ短調 3分の4拍子−イ短調 6分の8拍子 序奏付きのソナタ形式
第2楽章 ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ ヘ長調 2分の4拍子
ソナタ形式 スケルツォ風の楽章 スコットランド民謡を思わせる旋律
第3楽章 アダージョ イ長調 2分の4拍子 簡略化されたソナタ形式
第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチッシモ−アレグロ・マエストーソ・アッサイ イ短調 2分の2拍子−イ長調 6分の8拍子 ソナタ形式

演奏時間:約40分

メンデルスゾーン:交響曲第3番&第4番
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メンデルスゾーン:交響曲第3番&第4番

オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団

1. 交響曲第3番イ短調 作品56「スコットランド」
2. 交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」

1960年 ステレオ録音 EMI

楽曲の標題・テーマ性を重視した、ロマン派的解釈演奏の最高峰。荒涼としたスコットランドの情景、メアリ・スチュアート女王の悲劇を絵画的に表現したクレンペラーの代表作。全体に遅いテンポで堂々とした風格。スケールの大きなメンデルスゾーン。

メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」&第4番「イタリア」
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メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」&第4番「イタリア」

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1. 序曲「フィンガルの洞窟」(ヘブリディーズ諸島)op.26
2. 交響曲第3番イ短調op.56「スコットランド」
3. 交響曲第4番イ長調op.90「イタリア」

1971年1月 ステレオ録音 Deutsche Grammophon

重厚なクレンペラー盤と対照的なのが、こちらのカラヤン&ベルリン・フィル盤。ブルジョワ家庭に育ったメンデルスゾーンらしい、表層的で軽やかな身振りとカラヤン美学が合致した、フレッシュな快演盤。

メンデルスゾーン交響曲&序曲集
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メンデルスゾーン交響曲&序曲集

リッカルド・ムーティ指揮
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

1. 交響曲第3番イ短調 op.56「スコットランド」
2. 交響曲第4番イ長調 op.90「イタリア」
3. 交響曲第5番ニ長調 op.107「宗教改革」

モーシェ・アツモン指揮
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

4. 序曲「静かな海と楽しい航海」
5. 序曲「フィンガルの洞窟」
6. 「異国からの帰郷」序曲
7. 「ルイ・ブラス」序曲
8. 「アタリー」序曲

1975年(1) 1976年(2) 1979年(3) 1974年(4-8)
ステレオ録音 EMI Gemini(2枚組)輸入盤

絵画的なロマン性と古典的なフォームの美しさをバランス良く兼ね備えているムーティ盤。余分な装飾や感情移入を抑えた正攻法の演奏。交響曲3曲にアツモン指揮の序曲集を加えた、ファーストチョイスに絶好な2枚組廉価盤。

メンデルスゾーン 交響曲の名盤ベスト3
交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」 作品56
交響曲第4番 イ長調 「イタリア」 作品90
交響曲第5番 ニ長調 「宗教改革」 作品107
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