交響曲第1番 ニ長調 「古典交響曲」 作品25
プロコフィエフが26歳のときに作曲した最初の交響曲。それまでの前衛的な作風とはガラリと趣を変え、とても分かりやすい作品になっている。コンセプトは、もしハイドンが20世紀に生きていたら書いていたかも知れない交響曲。
18世紀の形式を尊守した4つの楽章で構成。楽器編成もハイドン後期の交響曲と同様に、トランペットとティンパニを含む2管編成ではあるが、18世紀のスタイルを借りつつも、プロコフィエフらしい明晰快活なユーモアを20世紀の書法で加味し、模倣だけに終わらない新鮮な音楽になっている。
作曲年代:1917年の夏
初演:1918年4月21日 レニングラードにて 指揮は作曲者自身
楽器編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部
楽曲構成:
第1楽章 アレグロ
第2楽章 ラルゲット(緩徐楽章)
第3楽章 ガボット ノン・トロッポ・アレグロ
第4楽章 フィナーレ モルト・ヴィヴァーチェ
演奏時間:約13分
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」
ゲオルグ・ショルティ指揮
1. バレエ「ロメオとジュリエット」(ハイライト) 1982年 デジタル録音 (Decca) |
20世紀モダニズム音楽としての、精緻で明快な「古典交響曲」。溌剌として現代的。やや早めのテンポでシャープに引き締まった、ショルティ&シカゴ響のメカニカルな演奏。録音もいい。
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
1. チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
1980年 デジタル録音(1)、1976年 ステレオ録音(2) |
旋律を美しく格調高く歌うこと、「古典」を重視した演奏。上記ショルティ盤と同じオケでありながら対照的に、古典的なフレームにそったモーツァルト的な響きのジュリーニ盤。
プロコフィエフ:交響曲第1番&第5番
アンドレ・プレヴィン指揮
1. 交響曲第1番ニ長調op.25「古典」 1986年 デジタル録音 (Philips) |
風刺と乾いたユーモアを活き活きと表現した演奏。洗練された響きと洒落た演出は、プロコフィエフを何度も録音してきたプレヴィンならではのもの。同時収録の第5番もロシア臭さのない爽やかな快演。