交響曲第5番 変ロ長調 作品100
各種打楽器にハープとピアノを加えた3管編成の大規模な交響曲。プロコフィエフの交響曲のなかでは、最も高く評価され、演奏機会も多い作品。
第2次世界大戦中わずか2ヶ月で書き上げられ、レニングラード解放記念祝賀祭にて、作曲家自身の指揮で初演。この模様はラジオ中継され、ソビエトの聴衆に熱狂でむかえられた。
スターリン圧政下、お仕着せのプロパガンダ依頼であったにもかかわらず、しっかりした構成と豊かな楽想、叙事詩的壮麗さが、プロコフィエフの革新的な個性とよく混じりあい、会心の作品に仕上がっている。
作曲年代:1944年
初演:1945年3月 モスクワ音楽院ホールにて 指揮は作曲者自身
楽器編成:ピッコロ、フルート2、オーボエ2、イングリッシュ・ホルン、クラリネット3、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラ・ファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、トライアングル、シンバル、タンバリン、ウッドブロック、小太鼓、大太鼓、ゴング、ピアノ、ハープ、弦5部
楽曲構成:
第1楽章 アンダンテ
第2楽章 アレグロ・マルカート (marcato:はっきりと)
第3楽章 アダージョ
第4楽章 アレグロ・ジョコ (giocoso:楽しそうに、滑稽に)
演奏時間:約46分
プロコフィエフ:交響曲第5番&ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
1. プロコフィエフ:交響曲第5番 op.100
1968年(1)、1977年(2) ステレオ録音 |
カラヤン&ベルリン・フィルが最も充実していた時期の録音だけあって、巨大なスケール感と確固たる造形美に圧倒される。ゴージャスなプロコフィエフが堪能できる1枚。
プロコフィエフ:交響曲第5番&ピアノ協奏曲第3番
ジョージ・セル指揮
1. 交響曲第5番変ロ長調op.100 1959年 ステレオ録音 (CBS Sony) |
戦時下に作曲されたことを思い出させる厳しいアプローチ。身を引き締めたくなるような緊張感に満ちたセル&クリーヴランド管の演奏。
プロコフィエフ:交響曲第1番&第5番
アンドレ・プレヴィン指揮
1. 交響曲第1番ニ長調op.25「古典」 1986年 デジタル録音 (Philips) |
上記セル盤と対照的なプレヴィンの爽快な第5番。明快でスマート。プロコフィエフ特有の稚気に富んだユーモアのセンスがうかがえる、クールな快演盤。