soe006 ジャズ・ミュージック・ライブラリー 2009年5月号

ジャズ・ミュージック・ライブラリー

May 5, 2009

4,5&6 ジャッキー・マクリーン
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4,5&6 ジャッキー・マクリーン

Prestige
Recorded at 1956

1 Sentimental Journey 9:54
2 Why Was I Born? 5:13
3 Contour Drew 4:59
4 Confirmation Parker 11:20
5 When I Fall in Love 5:32
6 Abstraction 7:56

ジャッキー・マクリーン(as)、ドナルド・バード(tp)、ハンク・モブレー(ts)、マル・ウォルドロン(p)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds)

プレステッジ時代のジャッキー・マクリーンは数多くの名盤を残していますが、そのなかで最も高い人気を獲得しているのがこのレコード(CD)。タイトルの「4,5&6」は、カルテット(ワンホーン)、クインテット、セクステットの意味。それぞれの編成での、ハードバップ演奏が収録されています。
ワンホーンで演奏された、1曲目の「センチメンタル・ジャーニー」と、続く「ホワイ・アズ・アイ・ボーン?(なぜこの世に生きるのだろう)」が特に素晴らしいですね。ほろ苦く甘いハスキーな音色が、胸の奥にじんわり染みます。「レフト・アローン」でも競演していた、盟友マル・ウォルドロンの泣かせ節にも注目。ドナルド・バードのトランペット、ハンク・モブレーのテナー・サックスも好調で、モダンジャズが最も輝きに満ちていた時代の、生々しい息吹が感じられます。
ジャズらしいジャズ、本物のジャズが聴きたい、そんな貴方に絶対的オススメ!

ゼム・ダーティ・ブルース キャノンボール・アダレイ
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ゼム・ダーティ・ブルース キャノンボール・アダレイ

Riverside/Capitol
Recorded at February 1 1960/March 29 1960

1 Work Song 5:07
2 Jeannine 7:18
3 Easy Living 4:23
4 Them Dirty Blues 7:12
5 Dat Dere 5:31
6 Del Sasser 4:43
7 Soon 5:37
8 Work Song [alternate version] 5:51
9 Dat Dere [alternate take] 5:30

キャノンボール・アダレイ(as)、ナット・アダレイ(cornet)、ボビー・ティモンズ(p)、バリー・ハリス(p)、サム・ジョーンズ (b)、ルイ・ヘインズ(ds)

キャノンボール・アダレイ・クインテットによる、ファンキー・ジャズの代表作。ナット・アダレイの「ワーク・ソング」、ボビー・ティモンズの「ダット・デア」を含む1960年の録音。
キャノンボールの代表作としてブルーノート1595番の『サムシン・エルス』が挙げられることが多いが、あちらはマイルス・デイビス主導で録音されたもので、モダンジャズ史に残る名作アルバムなのは確かであっても、キャノンボールの個性は稀薄。そこであえて、最もキャノンボールらしいアルバムをここでは採り上げました。
「ファンクの商人」と呼ばれたキャノンボールならではの、泥臭いブルース・フィーリングにどっぷり浸ってください。

別テイク2曲を追加収録したコンプリート盤。
(注:東芝EMIから出ている国内盤には別テイクが入っていません)

The Art of Pepper: Aladdin Recordings Vol.3
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The Art of Pepper: Aladdin Recordings Vol.3

Omega(Blue Note)

Art Pepper(AltoSax)、Carl Perkins(Piano)
Ben Tucker(Bass)、Chuck Flores(Drums)
1957年4月1日、カリフォルニア録音

1. Holiday Flight
2. Too Close for Comfort
3. Long Ago (And Far Away)
4. Begin the Beguine
5. I Can't Believe That You're in Love With Me
6. Webb City
7. Summertime
8. Fascinating Rhythm
9. Body and Soul
10. Without a Song
11. Breeze and I
12. Surf Ride

オリジナルは Omegaという超マイナー・レーベルからオープンリール・テープでリリースされた、いわゆる幻の名盤。
版権をブルーノートが買い取って、これまた超マイナーなイントロの『 Modern Art 』、ジャズウエストの『 The Return of Art Pepper 』と一緒に、3枚まとめて完全復刻されたのが1988年。

いずれもペッパー節の連打、快演続出の名演揃い。

え、みんな廃盤になっちゃった?

Either Way ズート・シムズ&アル・コーン
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Either Way ズート・シムズ&アル・コーン

Fred Miles/Evidence
Recorded at February 1961 NYC

1 P-Town 5:12
2 I Like It Like That 2:26
3 Sweet Lorraine 3:21
4 Autumn Leaves 4:43
5 The Thing 4:55
6 I'm Tellin' Ya 4:47
7 Nagasaki 2:29
8 Morning Fun 6:15

ズート・シムズ(ts), アル・コーン(ts), オールド・グランド・ハッピー(モーズ・アリソン) (p), ビル・クラウ(b), ガス・ジョンソン(ds), セシル・コリアー(vo)

フィラデルフィアのジャズ愛好家フレッド・マイルスが、1961年2月に録音したアル&ズートの自主制作盤。長い間、幻の名盤とされてきましたが、今ではCDで簡単に入手可能になりました。(フレッド・マイルスは、クリフォード・ブラウンのラスト・セッション(56年4月)をレコーディングしていたことでも有名)

「I Like It Like That」「Sweet Lorraine」「Nagasaki」の3曲で、セシル・コリアーのヴォーカルがフィーチャーされ、ピアニストのモーズ・アリソンは、契約レーベルを誤魔化すための処置として、「Old Grand Happy」とクレジットされています。
このアルバムは、風神と雷神が右と左に分かれ、丁々発止とフレーズをぶつけ合い技を競い合うテナー・バトルではありません。穏やかに対話しながら、協調して一つのメロディに彩色を施す、そんな印象のレコード。和気藹々とした演奏は、まるで小春日和のような和やかさに満ちています。「Autumn Leaves 枯葉」は隠れた超名演。
音質もメジャー・レーベルと比べて遜色はありません。

ホッジ・ポッジ ジョニー・ホッジス
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ホッジ・ポッジ ジョニー・ホッジス

Epic/Sony
Recorded at 1938 - 1939

01 Jeep's Blues 2:54
02 Rendezvous With Rhythm 3:02
03 Empty Ballroom Blues 2:27
04 Krum Elbow Blues 2:36
05 I'm in Another World 3:03
06 Hodge Podge 2:36
07 Dancing on the Stars 2:56
08 Wanderlust 2:47
09 Dooji Wooji 2:56
10 Savoy Strut 2:32
11 Rent Party Blues 2:40
12 Good Gal Blues 3:00
13 Finesse 2:42
14 Home Town Blues 2:40
15 Dream Blues 3:02
16 Skunk Hollow Blues 2:40

ジョニー・ホッジス(as)、クーティ・ウィリアムス(tp)、ローレンス・ブラウン(tb)、デューク・エリントン(p)、他

デューク・エリントン楽団の演奏はしばしば肉感的といわれていますが、その要因の一翼を担っていたのがジョニー・ホッジス。特にバラッド・プレイでのヴィブラートは実に官能的で、他のアルト奏者の追従を許しません。ジャンプ・ナンバーでの軽快なフットワーク、正確にコントロールされたフレーズには、実際に運動しているときのような躍動感と心地よさがあります。
ホッジスは自己のバンドを率いて活動していた51〜55年を除く、殆どの期間をエリントン楽団で過ごしたので、彼の名演奏は同楽団の録音に多くを聴くことができます。特に1940〜42年ごろのデューク・エリントン楽団によるRCA録音には、最高に輝いているホッジスのプレイが記録されています。
オススメの1枚は、エリントン楽団のピックアップ・メンバーによるコンボ演奏で、ホッジスが30歳を迎えた絶頂期の記録。VocalionとOkehレーベルに残されていたSP音源で、演奏時間は短いですが、驚くほど美しいソロが随所に散りばめられた音の宝石箱。

SP音源はどうも、という方には、2枚のLPをカップリングしたImpulse!盤『 Everybody Knows』(1956-57年録音/GRP)をお薦めします。

ジャズ・ミュージック・ライブラリー
イギリスの廉価盤レーベル Real Gone Jazz(2011年08月06日)
ビッチェズ・ブリュー・ライヴ:マイルス・デイビス(2011年02月12日)
ライオネル・ハンプトン・クインテット(2011年01月31日)
コリア、クラーク&ホワイト:フォーエバー(2011年01月20日)
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チック・コリアをまとめて聴く!(2009年08月25日)
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