soe006 今月のレコード・ライブラリー 2009年8月号

今月のレコード・ライブラリー

August 20, 2009

メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」(全曲版)
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メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」(全曲版)

アンドレ・プレヴィン指揮
ロンドン交響楽団

リリアン・ウォトソン(ソプラノ)
デリア・ウォーリス(メゾ・ソプラノ)
フィンチュリー児童合唱団

1976年 ステレオ録音 EMI Echo 輸入盤

メンデルスゾーンの代表作。超個人的に、彼の作品のなかで一番好きな楽曲。さらにこのプレヴィン盤は、数ある「真夏の夜の夢」のなかで最も好きなディスク。
全曲版のディスクって、ありそうでなかなか見当たらず、ほとんど10曲抜粋。でも通常割愛されてる短い曲のほとんどが、場面の繋ぎに用意されたものなので、無理して全曲版でなくてもいいと思います。10曲抜粋でも、クレンペラーのEMI盤やクーベリックのDG盤など、素晴らしい演奏がたくさんありますし。
プレヴィンの76年録音盤は、合唱に児童合唱を使っているのがポイント。森の妖精たちがザワザワしてる雰囲気が、よく出てます。女声独唱も綺麗でチャーミング。
もう何度も書いてますが、プレヴィンは、この曲とかチャイコフスキーの3大バレエなど、ストーリーのある管弦楽曲をやらせたらナンバーワンですね。

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」
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メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」

オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団

ヘザー・ハーパー(ソプラノ)
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
フィルハーモニア合唱団

1. 序曲「フィンガルの洞窟」op.26
2. 劇劇音楽「真夏の夜の夢」op.61(10曲)

1960年 ステレオ録音 EMI

プレヴィン&ロンドン響による「真夏の夜の夢」が明の名盤としたら、このクレンペラー&フィルハーモニア盤(EMI)は暗の名盤ということになりますでしょうか。
歌詞は英語、10曲の抜粋演奏。
テンポはゆっくりめ、ドイツ浪漫派ならではの深いコクがあって、重みのあるメンデルスゾーン。軽やかなプレヴィン盤とはまた異なるファンタジー風味があり、優劣つけ難し。どちらも大好き。女声独唱もすっごく良いです。
「序曲」冒頭の部分から思考停止、イッキに仄暗い幻想世界へ突入。「夜想曲」の素晴らしさは、私の貧困な語彙では表現不能。
棺桶に入れて欲しい、100枚のなかの1枚。

メンデルスゾーン : 交響曲第4番「イタリア」&劇音楽「夏の夜の夢」
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メンデルスゾーン : 交響曲第4番「イタリア」&劇音楽「夏の夜の夢」

ジョージ・セル指揮
クリーヴランド管弦楽団

1. 交響曲第4番イ長調op.90「イタリア」
2. 劇音楽「真夏の夜の夢」(5曲)
3. 序曲「フィンガルの洞窟」op.26

1967年5月 ステレオ録音 CBS Columbia

セル&クリーヴランド管のメンデルスゾーン。
颯爽としてカッコいい「交響曲第4番 イタリア」。「真夏の夜の夢」は、歌なし5曲のみの抜粋演奏。この劇音楽については、プレヴィン&ロンドン響(EMI)やクレンペラー&フィルハーモニア管(EMI)、クーベリック&バイエルン放送響(DG)など、愛聴盤が他にあるので、ここで聴かなくってもいいです。オマケの「フィンガルの洞窟」にしても、先のクレンペラーやカラヤンの演奏がコクがあって良いし。

このディスクでの聴きものは、なんといっても「イタリア」。ほんとに活きがよくって、若々しい。トスカニーニの名盤(RCA)がモノラルなので、同傾向のステレオ盤が欲しいって人には、このセル盤をお薦めします。1967年のアナログ録音に難色を示される方には、アバド&ロンドン響の1984年デジタル録音盤(DG)がいいかも。
メンデルスゾーンの「イタリア・シンフォニー」も好きなディスクがいっぱいあって、どれか1枚なんて、選べないですね。確かアバドにはシカゴ響を振った盤(DG)もあって、それもなかなか良かった。
若葉の季節、カラッと晴れた青空によく似合う交響曲です。

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」
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メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」

ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
ジュディス・ブレゲン(ソプラノ)
フレデリカ・フォン・シュターデ(メゾ・ソプラノ)
フィラデルフィア・メンデルスゾーン・クラブ女声合唱団

1. 劇付随音楽「真夏の夜の夢」op.21&op.61
2. ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
3. ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
1976年 ステレオ録音 (RCA)

メンデルスゾーンの代表作。交響曲の「スコットランド」や「イタリア」とか、「ヴァイオリン協奏曲」とか、他にも人気曲はありますが、これが一番好き。
メルヘンチックな題材を、メンデルスゾーンならではの感性で、うまーく描いてます。独唱と女声合唱が入った「舌のさけたまだらのおヘビさん」と「夜想曲」が特にいいですね。「結婚行進曲」は恥ずかしいので、ボリューム下げちゃいますが……これもよく聴くとホントに素晴らしい曲なんですよ。
オーマンディのRCA盤は10曲抜粋で、余白にワーグナーが入ってます。「ローエングリン」の「婚礼の合唱」入れとけば、定番マリッジ曲が1枚に収められて、別な用途にも使えたでしょうに。

オーケストラ・ヒット・パレード
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オーケストラ・ヒット・パレード

ユージン・オーマンディ指揮
フィラデルフィア管弦楽団

1. 熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ)
2. グリーンスリーヴズ幻想曲(ヴォーン・ウィリアムズ)
3. 草競馬(フォスター)
4. メヌエット(パデレフスキ)
5. ロンドンデリー・エア
6. 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(グリンカ)
7. 剣の舞(ハチャトゥリアン)
8. だったん人の踊り(ボロディン)
9. 月の光(ドビュッシー)
10. セレナード(シューベルト)
11. 白鳥(サン=サーンス)
12. アンダンテ・カンタービレ(チャイコフスキー)

CBS Sony

とても楽しい管弦楽曲オムニバス盤。
オーマンディは、交響曲や協奏曲の録音が終わったあとの余った時間に、これらのポピュラー名曲をついでに録音していたそうです。だから選曲の基準がめちゃくちゃなんですね。
LP時代に1000円でリリースされていたレコードを、中古盤(500円くらい)で買って聴いてました。この手のポピュラー名曲集って、すぐに厭きちゃって聴かなくなるんですが、たまに聴くと少年時代が思い出されていいもんです。
小学生のお子様がいらっしゃる家庭にオススメの1枚。

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