soe006 今月のレコード・ライブラリー 2009年10月号

今月のレコード・ライブラリー

October 20, 2009

ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」
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ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」

イシュトヴァーン・ケルテス 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

交響曲第9番 ホ短調「新世界より」
セレナード・ニ短調

Decca 1960年 ステレオ録音

ニューヨークの国民音楽院に院長として招かれたドヴォルザークが、故国ボヘミア(現在のチェコ)を偲んで作曲した、望郷の詩。
超人気曲なので録音盤の数はべらぼうに多いが、まず最初に手にとって後悔しないのが、今回紹介しているケルテス指揮ウィーン・フィルのデッカ盤。
この交響曲は、ドヴォルザークがアメリカ大陸で採取した黒人霊歌と、故郷のボヘミア民謡風のメロディが渾然一体となり、それを伝統的(ドイツ風と言い換えてもいい)な西洋音楽の様式でまとめあげた作品で、ご当地チェコのオーケストラ、またはアメリカのオーケストラによる録音のなかにも優れた演奏はわんさかありますが……このケルテス盤は、なんといってもウィーン・フィルの豊潤なサウンドが素晴らしいし、野性的なパワーに満ちたケルテスの熱気が大迫力。かといって暴れまくってるのではなく、細かな情緒の揺れも見事に描き出されていて絶品。
デジタルの、クリアではあるけど無個性な録音が好きじゃない私にとって、デッカのアナログ・ステレオ録音は、たっぷりな交響曲を満喫できる最高音質。
文句なしの超名盤。

ドヴォルザーク:交響曲第9番 「新世界より」
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ドヴォルザーク:交響曲第9番 「新世界より」

レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団

1. 交響曲第9番ホ短調op.95「新世界より」
2. 序曲「謝肉祭」op.92
3. スラヴ舞曲第1番ハ長調op.46-1
4. スラヴ舞曲第3番変イ長調op.46-3
5. スメタナ:「わが祖国」より 交響詩「モルダウ」
1962年 ステレオ録音 (CBS Columbia)

子供のころからの愛聴盤。
最初に名前を覚えた指揮者。
バーンスタインの「新世界より」。

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

ヴァーツラフ・ノイマン 指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

Denon 1993年 デジタル・ライヴ録音

ヴァーツラフ・ノイマンは、1920年9月29日、プラハに生まれ。
プラハ音楽院でヴィオラを専攻しつつ、指揮法をターリヒに学び、1945年にヴィオラ奏者としてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団に入団。
音楽院時代に在籍していた弦楽四重奏団は、スメタナ四重奏団として発展。優れた演奏で世界に名を知らしめました。
1947年、クーベリックの代役として指揮者デビュー。常任指揮者に任命された1948年にスメタナ四重奏団を脱退。クーベリックの後任でアンチェルが主席指揮者に就任していた時期を除き、49歳から亡くなるまで、約50年にわたってチェコ・フィルを統率、国際的な名声を築き上げました。
生涯9回も来日しており、日本でもファンの多い指揮者です。

自国の作曲家を積極的にとりあげてきたノイマンなので、ドヴォルザークの「新世界より」は得意中の得意曲。私が知ってるだけでも4枚の録音盤があります。
この録音は、1993年12月にプラハで行われた「新世界交響曲」初演100周年記念コンサートの実況録音盤。

誠実な語り口で素朴な郷愁を滲ませた、本家チェコ・フィルならではの名演です。

ドヴォルザーク:チェコ組曲
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ドヴォルザーク:チェコ組曲

アンタル・ドラティ指揮
デトロイト交響楽団
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(*)

1. チェコ組曲 ニ長調 作品39
2. プラハ・ワルツ(B.99)
3. 弦楽のための夜想曲 ロ長調 作品40(B.47)
4. スラヴ狂詩曲 第3番 変イ長調 作品45(B.86)の3
5. アメリカ組曲 イ長調 作品98B(B.190)(*)

Decca(ユニバーサル ミュージック)

CX系月9「のだめカンタービレ」で使用されて一躍有名になった、「チェコ組曲」を含むドヴォルザーク作品集。
「スラヴ舞曲集」発表直後の「チェコ組曲」と、渡米中に書いた「アメリカ組曲」をカップリング。

演奏よし、録音よし。
「のだめ」でクラシックに興味を持った方に聴いていただきたい1枚。

ハイドン:交響曲第88番「V字」&第100番「軍隊」
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ハイドン:交響曲第88番「V字」&第100番「軍隊」

ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団

1. 交響曲第88番ト長調Hob.1-88「V字」
2. 交響曲第100番ト長調Hob.1-100「軍隊」
1961年録音 (CBS Columbia)

ブルーノ・ワルター晩年の、1961年コロンビア録音。
この演奏スタイルは、確かに古い。古いんだけど、それを理由に捨てられない良さがあります。たぶん、もう2度とこのようなタイプのハイドン交響曲って現れないと思う。それに、ワルターの音楽を愛した人たちの想いもあります。
あと何十年か経ったら、忘れられるかも知れませんが……その時がくるまでは、大切にしたいと思います。

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