soe006 今月のレコード・ライブラリー 2009年12月号

今月のレコード・ライブラリー

December 20, 2009

マーラー:交響曲第5番
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マーラー:交響曲第5番

レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1987年 デジタル録音 (Deutsche Grammophon)

バーンスタインは60年代にもマーラーを録音していますが、あのころとは別人のようでありながら、ああそうなっちゃったのかと納得する部分もあり。
とにかくテンポのゆっくり加減は半端じゃなく、スケール感は肥大気味。まぎれもなく晩年バンスタの代表作。マーラーってどんな作曲家か知りたければ、最初にこれを聴けば、自分に向いてるか向いてないか、即時に分かります。最初聴いたときはドッと疲れ、でもなんとなく何度か聴くうちに、マーラーはこれでなきゃダメ、みたいな。
濃厚&粘着質なマーラーが好きな人には、永遠の名盤になるでありましょう。
映画「ベニスに死す」を観て、マーラーの「アダージェット」ってステキね、美しいわ、なんてBGM気分で聴くと、吐き気がこみ上げてくるので注意。

マーラー:交響曲第1番 「巨人」
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マーラー:交響曲第1番 「巨人」

ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団

1961年 ステレオ録音 (CBS Columbia)

80年代に突如として起こったマーラー・ブームでしたが、それ以前、マーラーと言えばワルターかバーンスタインくらいしかレコードはありませんでした。輸入盤などが入手しやすい都会はともかく、田舎町でマーラーのレコードを聴こうとすれば、ワルターかバーンスタインの二者択一。どちらもCBS録音で、他に選択の余地なし。
それが80年代になったとたん、録音盤がわんさかリリースされ、コンサートでも頻繁に演奏されるようになっちゃいました。
なんでいきなりマーラー・ブームになったのか、世紀末思想だとか、もっともらしい理由が巷に出回ってましたが……よく分かりません。
おそらく、LPからCD時代になり、大編成&長時間録音のディスクが売りやすくなったからではないかと思うのですが……よく分かりません。
中身の音楽も……よく分からない。

そんなよく分からないマーラーのなかで、比較的馴染みやすいのが、ワルター指揮コロンビア交響楽団の「交響曲第1番」。1961年の古いアナログ録音ですが、マーラー直伝の指揮者だけあって、思い入れの熱さが伝わってくる名演だと思います。

オーケストラ・ヒット・パレード
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オーケストラ・ヒット・パレード

ユージン・オーマンディ指揮
フィラデルフィア管弦楽団

1. 熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ)
2. グリーンスリーヴズ幻想曲(ヴォーン・ウィリアムズ)
3. 草競馬(フォスター)
4. メヌエット(パデレフスキ)
5. ロンドンデリー・エア
6. 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(グリンカ)
7. 剣の舞(ハチャトゥリアン)
8. だったん人の踊り(ボロディン)
9. 月の光(ドビュッシー)
10. セレナード(シューベルト)
11. 白鳥(サン=サーンス)
12. アンダンテ・カンタービレ(チャイコフスキー)

CBS Sony

とても楽しい管弦楽曲オムニバス盤。
オーマンディは、交響曲や協奏曲の録音が終わったあとの余った時間に、これらのポピュラー名曲をついでに録音していたそうです。だから選曲の基準がめちゃくちゃなんですね。
LP時代に1000円でリリースされていたレコードを、中古盤(500円くらい)で買って聴いてました。この手のポピュラー名曲集って、すぐに厭きちゃって聴かなくなるんですが、たまに聴くと少年時代が思い出されていいもんです。
小学生のお子様がいらっしゃる家庭にオススメの1枚。

エルガー:エニグマ変奏曲
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エルガー:エニグマ変奏曲

エニグマ(謎)変奏曲
ゲオルグ・ショルティ 指揮
シカゴ交響楽団

行進曲「威風堂々」
序曲「コケイン」
ゲオルグ・ショルティ 指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

Decca

ゲオルグ・ショルティによる、英国作曲家エルガーの管弦楽作品集。
演奏は、格調高くダイナミック。行進曲「威風堂々」に関しては、このディスクがナンバーワンの推薦盤。

ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」オーケストラル・ハイライツ
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ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」オーケストラル・ハイライツ

ゲオルグ・ショルティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1. 「ヴァルキューレ」 ヴァルキューレの騎行
2. 「ラインの黄金」 ヴァルハラ城への神々の入城
3. 「ヴァルキューレ」 ヴォータンの告別と魔の炎の音楽
4. 「ジークフリート」 森のささやき
5. 「神々の黄昏」 ジークフリートの葬送行進曲
6. 「神々の黄昏」 フィナーレ
1982年 デジタル録音 (Decca)

ワーグナーの管弦楽曲集は優秀な録音がいろいろ出ていますが、演奏内容と録音の両面から満足できるのが、ショルティ&ウィーン・フィルのデッカ盤。
ウィーン・フィルにとっては、もう何度も演奏してきた曲なので、誰が指揮台に立っていようと関係ない……みたいな、余裕かましてます。実際、クナッツパーツブッシュみたいな特別な指揮者でないかぎり、このオケは動きません。いつも同様、最上の演奏。
運が良かった、というかタイミングが良かったのは、当時ショルティがデッカ専属だったことで、稀にないダイナミックで艶やかな録音ができたことでしょう。
「ニーベルングの指環」4部作からの抜粋選曲なので、アルバムに統一感があっていいです。ワーグナー入門に最適な1枚。

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