七重奏曲 変ホ長調 作品20
この「七重奏曲 作品20」が作曲された1800年は、「交響曲第1番」や「弦楽四重奏曲 作品18」も発表されており、ベートーヴェン第一期黄金時代の幕開けの年と言われています。
1792年にボンからウィーンへやって来たベートーヴェンは、当時の聴衆の趣味にあわせた娯楽作品によって名声を高めていったのですが、「七重奏曲」はそれらの集大成と考えられる作品で、メヌエットとスケルツォを含む全6楽章構成、実質的には伝統的なスタイルのディヴェルティメントであります。
初演:
1800年4月2日 ウィーン ブルク劇場(「交響曲第1番」と同時公演)
フランツ二世皇后マリーア・テレージアに献呈
楽器編成:
クラリネット(変ロ)、ホルン(変ホ)、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
楽曲構成:
第1楽章 アダージョ 4分の3拍子−アレグロ・コン・ブリオ 2分の2拍子 変ホ長調 序奏付の軽快なソナタ形式
第2楽章 アダージョ・カンタービレ 変イ長調 8分の9拍子
ヴァイオリンとクラリネットが、美しく伸びやかな旋律を歌うソナタ形式
第3楽章 テンポ・ディ・メヌエット 変ホ長調 4分の3拍子
第4楽章 テーマ・コン・ヴァリアツィオーニ アンダンテ 変ロ長調 4分の2拍子 軽快な行進曲風の16小節からなる主題と、5つの変奏およびコーダ
第5楽章 スケルツォ アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ 変ホ長調 4分の3拍子
第6楽章 アンダンテ・コン・モルト・アラ・マルチア 変ホ短調 4分の2拍子−プレスト 変ホ長調 2分の2拍子 序奏付のソナタ形式。再現部の前にはヴァイオリンのカデンツァが挿入されている。
演奏時間:約45分
ベートーヴェン:七重奏曲&六重奏曲ウィーン室内合奏団
1. 七重奏曲変ホ長調op.20 1992年 デジタル録音 Denon |
ベートーヴェン:七重奏曲&モーツァルト:ホルン五重奏曲ベルリン・ゾリステン
1. ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調op.20 1990年 デジタル録音 Teldec |
ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調op.56
デイヴィッド・ジンマン指揮
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
七重奏曲変ホ長調op.20 2004年 デジタル録音 Arte Nova |