エドワード・エルガー
Edward William Elgar(1857-1934)
生年の出来事……インドでセポイの乱/渋染一揆(安政4年)
没年の出来事……アドルフ・ヒトラー総統と首相を兼任/室戸台風上陸(昭和9年)
エドワード・エルガーは、1857年6月2日ウスター近郊のブロードヒース生まれ。父親は楽器商で教会のオルガニストでしたが、経済的な問題から専門的な音楽教育を受けることができませんでした。一時は法律家を目指したエドワードでしたが、独学でヴァイオリンやピアノなどの演奏と作曲法を修得。音楽教師として僅かな収入を得ながら、作曲を続けます。1889年、ピアノの教え子だったキャロライン・アリス・ロバーツと結婚。アリスのために作曲した「愛の挨拶」は、後年ヴァイオリンの人気曲となりました。
エルガーが作曲家として世に認められたのは、41歳のとき(1899年)に発表した「エニグマ変奏曲」の成功によってでした。その後、数多くの傑作を書き、ヘンリー・パーセル以後、自国の大作曲家を持たなかったイギリスで、近代音楽の礎を築いた作曲家、英国楽壇の中興の祖と、高く評価されるようになります。行進曲「威風堂々」第1番の中間部は、エドワード7世にたいへん気に入られ、この旋律に歌詞が付けられた「希望と栄光の国」は、英国の第2の国歌として現在でも愛唱されています。1904年にナイトの称号を授与され、1931年には准男爵にも叙されました。