のだめカンタービレ in ヨーロッパ
January 5, 2008
CX系で1月3日と4日、2夜連続放映された「のだめカンタービレ 新春スペシャル IN ヨーロッパ」。
楽しみにしてたんです。
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「のだめカンタービレ」 in ヨーロッパ
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のだめカンタービレ in ヨーロッパアミューズソフトエンタテインメント
DVD2枚組(初回のみ3枚組) |
原作の漫画は読んでないから、よく分からないんだけど……
第1夜の「千秋編」のほうが、まとまっていて面白かったデス。
第2夜の「のだめ編」は、展開が荒っぽい。
いつか千秋の指揮するオーケストラと協奏曲を共演したいと願っているのだめが、中国人ピアニストが先に共演しちゃったものだから、焦って、どんどん迷走し、なんのために演奏しているのか分からなくなってしまう、という流れは、第1夜で千秋がライバルの指揮ぶりをみて、焦ってオケに嫌われてしまう、というシチュエーションの再現なんだけど……
そこから、お城での初リサイタル成功までの流れが、ちょっと強引すぎるんじゃないの?
ドラマの核心部分だけに、もったいない。
原作が漫画だから、そんなに真面目にやらなくても、いいのかな。
「アリー my ラブ」あたりから、CGを使ってコミック的なギャグをやるテレビドラマが流行ってるけど、今回の「のだめSP」、そのへんは巧かったデス。
千秋指揮の黒羽撒き散らし、ジャン指揮の白薔薇撒き散らし、のだめピアノの真珠撒き散らしも綺麗でした。
アニメっぽいけどイイです、こういうの。
ほんとうは、そんなの使わなくても感じさせるように演出しなきゃならんのだろうけど、テレビ視聴者ってそんなに集中して観てないから。
テレビゲームで遊んでる人たちがお客さんだから、これからも、こういうのが増えていくんだろうな。
ポスプロ(撮影終了後の作業)が重要視され、実際の収録現場は、人気タレントのスケジュールに縛られておざなりにならなきゃいいんだけど。
現場のスタッフが、編集や合成でどうにでもなる、って気持ちで仕事するようになっちゃうと、ちょっとイヤンです。
新春スペシャルは、シリーズのときよりもっと音楽に深く入っていくのかなと思っていたけど。ちょいちょい挿入される日本の場面(中華裏軒に集うR☆Sオケのメンバー)とかあって、それはそれで正月顔見世興行的な目的があってのことだろうけど、余計な感じがしましたね。
ほとんど本筋に関係ないもの。
テレビドラマということで、外国語は日本語吹き替え仕様になっていたけど、字幕から切り替わるタイミングがよくなかったね。
せっかく仏語版プリごろ太アニメでのだめがフランス語を習得するというエピソードがあるんだから、そこまでは字幕付きで、のだめが仏語を使えるようになってから吹き替えにしたらスムーズに移行できたのに。惜しいことしましたね、先輩。
指揮者コンクール2次予選の間違い探しに使われていた、ドヴォルザーク「交響曲第9番 第4楽章」の場面は迫力ありました。
海外の指揮者コンクールって、こんな風な感じで行われているんだ、と勉強になった人も多いんじゃないかな。
(原作者は絶対に小澤征爾の「音楽武者修行」や佐渡裕の本を参考にしてる!)
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ボクの音楽武者修行
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僕はいかにして指揮者になったのか
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それはさておき……
今回の音楽は、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」から「水族館」、エルガーの「エニグマ変奏曲」から「ニムロッド」、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の使い方が良かったデス。
オルフ「カルミナ・ブラーナ」は、ベタすぎてしらけちゃいました。もうそろそろ、こういう使い方するのやめて欲しいっす。「かつては湖に住みし白鳥の歌」や「我は大僧正であるぞ」とか、「天秤棒に心をかけて」とか、「カルミナ・ブラーナ」にはドラマに使えそうな曲がいっぱいあったのにィ。
今回の使用楽曲を、手持ちのCDから抜粋して、オリジナルCDRを作っちゃいました。
1.ドヴォルザーク:交響曲第9番 第4楽章
2.サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より「水族館」
3.R・シュトラウス:「オイレン・シュピーゲルの愉快ないたずら」
4.チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章
5.エルガー:エニグマ変奏曲 第9変奏(ニムロッド)
6.モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
7.ブラームス:交響曲第1番 第4楽章
(total time 74分)
あと、些細なことだけど……
ドラマで「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を、「晩年のモーツァルトが完成させた、たった1曲のミサ曲なんだ」とフランス小僧が解説してましたが……「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は、ミサ曲じゃねえだろ!
(たぶん)原作漫画どおりに書かれたセリフなんだろうけど。
音楽監修のスタッフ、サボってんじゃねー、とか……憤っちまうんだよな。
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のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)
アミューズソフトエンタテインメント
2006年10月16日より全国フジテレビ系列 ☆出演 |
しかし、最近のテレビドラマって、男が人前で泣くシーン多いよね。
男の子は泣かない! って、質実剛健な教育を受けた世代だからかなり気にかかる。
見てて気持ち悪いんだよなあ、感情をモロ出しする奴って。