のだめカンタービレ in ヨーロッパ 使用楽曲推薦盤(3)
January 9, 2008
「のだめカンタービレ IN ヨーロッパ」便乗企画第3弾!
ドラマのストーリー順に、各楽曲の定番とされている名盤を、ご紹介。
紹介したい楽曲&ディスクがたくさんあるので、曲目の解説とか余計なものは一切カット。しかも、超個人的な偏向にもとづくセレクション。
どうしてあの曲を紹介してないの、なんでこれが推薦盤なの、とかのクレームは一切ナッシングでお願いします。
のだめカンタービレ in ヨーロッパアミューズソフトエンタテインメント
DVD2枚組(初回のみ3枚組) |
パリのアパルトマン・千秋の部屋
「ボンジュール、ムッシュ・チアキ。いま時間あるかしら?」
のだめがフランクの部屋でフランス語版「プリごろ太」を見ているころ、千秋の部屋を訪れるターニャ。「ない」と素っ気ない返事でドアを閉める千秋に、「チョットだけ」と食い下がるターニャ。
BGMは エルガーの「愛の挨拶」。
この曲は、翌朝、ターニャの部屋を訪れた千秋が、真っ赤なボルヒチをご馳走される場面でも流れていました。ターニャの愛のテーマとして使われているみたいですね。
推薦盤は(いつものように)ハイコストパフォーマンスなグラモフォンのパノラマ・シリーズから。バーンスタイン指揮BBC交響楽団による「エニグマ変奏曲」や行進曲「威風堂々 第1番」など、エルガーの代表作品が網羅されていて超お買い得の2枚組。「愛の挨拶」はギル・ハシャムのヴァイオリン独奏、オルフェウス室内管弦楽団の演奏が収録されています。
エルガー作品集:パノラマ・シリーズ
disc1 Deutsche Grammophon (2枚組) |
パリのアパルトマン・ターニャの部屋
「友だちに貰った中古のパソコン、ネットに繋げてもらいたいの」
ターニャの部屋でネット接続する千秋は、のだめがフランクの部屋で二人っきりと聞いて狼狽。
BGMは連ドラでも頻繁に使用されていた、リムスキー=コルサコフの歌劇「サルタン皇帝の物語」から「熊蜂の飛行」。
推薦盤は、問答無用でこちらの2枚。娯楽派オーケストラによる抜群のテクニックが堪能できる、スゲー楽しい演奏です。ハチャトゥリアンの「剣の舞」やボロディンの「ダッタン人の踊り」、シベリウスの「カレリア組曲」から行進曲など、ドラマ版「のだめカンタービレ」でBGMに使われた楽曲もいっぱい入ってますですよ。
ポップス・ストッパーズ
アーサー・フィードラー 指揮
1. ジェラシー(ガーデ) RCA/BMG Japan |
オーケストラ・ヒット・パレード
ユージン・オーマンディ指揮
1. 熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ) CBS Sony |
パリのアパルトマン・ターニャの部屋
「ピアノ弾いてよ、ぜひ聞きたいな」
千秋に乞われピアノの腕前をみせるターニャ。
「あ、間違えちゃったぁ」
「おい、お前、本当にコンセルヴァトワールの学生か!」
ターニャの酷い演奏に憤慨した鬼千秋が、鉢巻き締めてテッテーテキに特訓! 演奏している曲は、ショパンの「英雄ポロネーズ」。
ショパンの代表曲を一網打尽に網羅したアシュケナージの名演奏でどうぞ。
連ドラ第7話で、ハリセンの教室を飛び出したときの「幻想即興曲」や、幽霊化したのだめが千秋とすれ違う場面に流れていた「別れの曲」も収録されてます。
別れの曲:ショパン名曲集ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)
1. ワルツ第1番変ホ長調op.18「華麗なる大円舞曲」 |
東京・中華裏軒
のだめから「千秋先輩、指揮コンクール 予備審査、見事合格」のメール。添付された千秋の画像を自分の携帯に転送しながら、「千秋くんが入ってくる〜、あはは、あはは……」と笑う高橋くんが最高です。
BGMは、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」から「花のワルツ」。
この楽曲も連ドラ第1話で、パジャマに着替えたのだめが千秋のベッドにいる場面で、ちょっぴり使われていました。
チャイコフスキーのバレエ組曲集はいっぱいCDが出てますが、やっぱりカラヤン&ベルリン・フィルのものが、華やかでドラマチックですね。
チャイコフスキー:3大バレエ・ハイライト
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
バレエ組曲「眠りの森の美女」 1966-71年 ステレオ録音 |
カラヤン嫌いの方、全曲版を聴きたい方は、ブレヴィン指揮ロンドン交響楽団をどうぞ。
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」(全曲版)アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団 1972年 ステレオ録音 EMI(2枚組) |
パリのアパルトマン・千秋の部屋
「とうとう明日から、俺の新たな挑戦が始まる」
指揮者コンクールの準備をする千秋。BGMは、ビゼーの歌劇「カルメン」から「恋は野の鳥」。別名「ハバネラ」。
ちなみに「ハバネラ」とは、スペインの民族舞踊の様式で、その源流はキューバにあるとのことです。
管弦楽で単独に演奏されることも多い曲ですが、今回のドラマでは声楽入りが流れていました。
「カルメン」ならこの人、20世紀最高とされているソプラノ歌手のマリア・カラス。フランス・オペラのアリア集が、EMIから出ています。伴奏は今年(2008年)のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートで指揮台に立ったジョルジュ・プレートルとフランス国立放送局管弦楽団。
世紀の名盤です。御一聴あれ。
パリのマリア・カラス(第1集)
マリア・カラス(ソプラノ)
歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」(グルック) EMI |
パリ・リヨン駅
指揮者コンクールに向かう千秋。到着した列車からは、アニメ・フェスタに参加する大勢のコスプレ軍団が降りてくる。ここで、のだめと千秋は、同じコンクールに出場するジャンとようこに遭遇。
BGMは、ガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム」……だけど、途中で「エンブレイサブル・ユー」のメロディも聞こえてくるので、たぶん ミュージカル「ガール・クレイジー」の序曲、またはハイライト・メドレーかも知れません。
推薦盤は、毎度お馴染みボストン・ポップス・オーケストラ。
ガーシュウィン・コンサート
アーサー・フィードラー 指揮
1.「ガール・クレイジー」セレクション Decca 1979年 ステレオ録音 |
ボストン・ポップスは、どうしても往年のアーサー・フィードラー指揮によるダイナミックなアナログ録音でないとボストン・ポップスらしく聞こえないんですが、映画音楽で有名なジョン・ウィリアムスが指揮しているデジタル録音盤もございます。アナログはいやんな人はこちらをどうぞ。
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ミッシャ・ディヒター(ピアノ)
1. パリのアメリカ人 Philips 1989年 デジタル録音 |
パリ・リヨン駅
「ジャンはね、セバスチャーノ・ヴィエラの若手の弟子の中でイチバンの有望株なのよぉ〜」と、ゆうこに煽られたのだめが、「千秋先輩だって、ミルヒー・ホルスタインの弟子デス」と憤慨して応える場面。
BGMは、ブラームスのハンガリー舞曲 第5番。
これはもうチャップリンの『独裁者』とか、いろんな映画やドラマで使われている超有名曲ですね。
とりあえず、華やかに盛り上げ、艶麗に歌い、颯爽たる活気に満ちた、カラヤン往年の超名盤でどうぞ。(← 誉めすぎてる?)
ブラームス&ドヴォルザーク:舞曲集
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ブラームス:ハンガリー舞曲集 Deutsche Grammophon 1959年、1971年録音 |
パリ・リヨン駅
「ここからは自分との戦いだ。女なんか連れて行けるか」
走り出す千秋を乗せた電車。「あう〜」と奇声を漏らし、うなだれるのだめ。
BGMは、フォーレの劇音楽組曲「ペレアスとメリザンド」より「シシリエンヌ」。
この楽曲は、40年前からシャルル・ミュンシュ指揮フィラデルフィア管弦楽団のCBS盤が決定的名盤とされてきたのだけど……現在廃盤。
なので、こちらも古い録音ではありますが、アンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団をどうぞ。
こういう古風な楽曲は、往年のアナログ録音でないと雰囲気がでないもので。黴臭いディスクばかり紹介してすみません。
フォーレ:レクイエム
エルネスト・アンセルメ 指揮
シュザンヌ・ダンコ(ソプラノ)
1. レクイエム 作品48 Decca 1955年-1961年 ステレオ録音 |
比較的新しいディスクで評判が良いのは、(私は聴いたことないけど)ミシェル・プラッソン指揮トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団だそうです。
フォーレ:管弦楽曲集第1集
ミシェル・プラッソン 指揮
1. 組曲「ペレアスとメリザンド」op.80 EMI 1979-1980年 ステレオ録音 |
さあ、いよいよプラティニ指揮者コンクール。
千秋の新しい挑戦が始まります。
ここからの音楽の流れは、SPドラマの白眉ともいえる見事さで、名曲オンパレードなのですが……長くなったので、本日はこれまで。
こまんたれぶ〜。